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天界と地獄 54

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54  「だれかの外に天界がある」と言うことは決してできません、天界は内にあります。すべての天使は内にある天界にしたがって、外にある天界を受け入れるからです。
ここから、「自分の内的ないのちがどんなものであっても、天界に入ることは、単に天使たちの間に上げられることである。したがって、直接の慈悲からだれにでも天界が与えられる」と信じる者は、どれほど欺かれているか明らかです(*2)。だれかの内に天界がないなら、外にある天界は決して流入しないし、受け入れられません。
このような見解を抱いた多くの霊がいました。そしてその信念ゆえに、天界へ上げられました。しかし、そのとき、彼らの内的ないのちは天使のいのちに反していたので、自分の知性に関して盲目になり始め、愚か者のようにまでもなり、自分の意志に関して気が狂うかのように振る舞って苦しめられました――一言でいえば、悪く生きたのに天界へ来た者は、そこでは、水の外に出された大気中の魚のように、また、空気ポンプで空気を抜き取り、エーテルの中に残された動物のように、あえぎ、苦しめられます。
ここから、天界はだれかの外になく、その者の内にあることを明らかにすることができます(*3)


*2  天界は直接の慈悲からではなく、生活(いのち)にしたがって与えられる。主により人間が天界へと導かれる生活(いのち)のすべては、慈悲からのものであり、そのことが慈悲の意味である(5057, 10659)。
もし天界が直接の慈悲から与えられるなら、それはすべての者に与えられるであろう(2401)。
天界から投げ落とされたある悪い者について、その者は天界がだれにでも直接の慈悲から与えられると信じていた(4226)。
*3  天界は人間の中にある(3884)。