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天界と地獄342

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342 幼児について、私は天使と、「彼らには、おとなのように実際の悪は何もないので、悪からは純粋ですか」と話しました。
しかし、次のように言われました。「彼らも同じように悪の中にいます、というよりも彼らもまた悪である以外に何ものでもありません(*3)――しかし、彼らは、すべての天使のように、主により悪から妨げられ、彼らにとって自分自身から善の中にいるように見えるほどにまでも善の中に保たれています――それゆえ、幼児は、天界でおとなになった後、自分自身について、自分のもとにある善は自分自身からのものであり、主からではないという虚偽の見解の中にいないように、遺伝から受け入れられ、彼らの中に残されている自分自身の悪の中にときどき送り返され、事実はそのとおりであることを知り、認め、信じるようにされます」。
[2]幼児で死に、天界で成長したある者もまた同じような見解の中にいました。彼はある王の息子でした――それゆえ、自分自身の生来の悪のいのちの中へ送り返され、その時、私は彼のスフェアから、彼が、他の者を支配しようとし、また姦淫を大したことではないと見なす性向を、両親からの遺伝による悪としてもっていることを知りました――しかし、彼は自分がこのような者であることを認めた後、再び以前にいた天使たちの間に受け入れられました。
[3]だれも遺伝悪のために来世で決して罰を受けることはありません、その悪は彼のものではなく、したがって彼がそのようであることは彼の責任ではないからです。しかし、彼自身のものである実際の悪のために、このように、自分自身の実際の生活によって遺伝悪からの悪をどれだけ自分のものにしたかによって罰を受けます。
おとなになった幼児が遺伝による自分自身の悪の状態に送り返されるのは罰を受けるためではなく、自分自身からは悪以外のものではないこと、また自分のもとの地獄から、主の慈悲により、天界に連れて行かれ、自分自身からでなく主の慈悲により天界にいることを知り、このように他の者の前で自分のもとにある善を誇らないためです。なぜなら、このことは相互愛の善に反しており、信仰の真理にも反しているからです。


*3 人間は、どれほど多くいても、そのプロプリウムは悪以外のものでないほどに、すべての種類の悪の中に生まれている(210, 215, 731, 874-876, 987, 1047, 2307, 2308, 3518, 3701, 3812, 8480, 8550, 10283, 10284, 10286, 10731)。
それゆえ、人間は生まれ変わらなければ、すなわち、再生しなければならない(3701)。
人間の遺伝悪は、自分自身を神よりも、世を天界よりも愛し、自分自身のためにならないなら、隣人を自分自身と比べて価値のないものとすることであり、このように自己愛と世俗愛である(694, 731, 4317, 5660)。
自己愛と世俗愛が主権を握るとき、それらの愛からすべての悪が存在する(1307, 1308, 1321, 1594, 1691, 3413, 7255, 7376, 7488, 7490, 8318, 9335, 9348, 10038, 10742)。
それらの悪は他の者への軽蔑・敵意・憎しみ・復讐・残酷・欺きである(6667, 7372, 7373, 7374, 9348, 10338, 10742)。
またこれらの悪からすべての虚偽がある(1047, 10283, 10284, 10286)。
それらの愛は、束縛がゆるめられるほど突進し、自己愛は神の王座にまでも突進する(7375, 8678)。