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天界と地獄 504

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504 人間がどれほど多くても、すべての者は、死後、この状態の中に入れられます。その状態は彼らの霊のプロプリウム(固有のもの)であるからです。
人間が霊に関して交わりの中にあった前の状態がどのようなものであっても、その状態は彼のプロプリウムではありません。
前章の中で扱われたこの状態は、すなわち、人間が死後、その中に最初にいる外的な状態は、彼のプロプリウムではないことを、多くのことから明らかにすることができます。例えば、霊は考えるだけでなく、自分の情愛から話すことからです。なぜなら、彼らが話すことが情愛からであることは、「天使の話し方」(234-245番)の章の中で言われ、示されたことから明らかにすることができるからです。
さらにまた、人間は世でも、自分自身の内では同様に考えています。なぜなら、その時、自分の口から話すようには考えないで、ただそれらを見ただけで、一分間のうちに同時に多くのものを見て、その後、それらについて半時間以上もの間、話すことができるからです。
外的な状態は、人間のまたはその霊のプロプリウムでないことは、さらにまた次のことから明らかです――世で交わりの中にいる時、道徳的で市民的な生活の法律にしたがって話すこと、またその時、ある者が他の者を支配するように、内的な思考が、似つかわしさや体面の限度を越えないように、外的なものを支配します。
次のことからもまた明らかです。それは、人間が自分自身の内部で考えるとき、気に入られ、友情・好意・恩恵を獲得するために、どのように話し、行動すべきかを考え、このことがプロプリウムの意志からこのように行なわれないなら、それと異なる外来の方法で行なうことです。
これらから、霊がその中に入れられる内的な状態は、その霊のプロプリウムの状態であること、このようにまた世で生きたとき人間のプロプリウムの状態であることが明らかです。