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生活の教え 66

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66「マルコ福音書」に書かれています、

ある富んだ者がイエスのもとにやって来て、永遠のいのちを相続して受けるために何を行なうべきか尋ねた。イエスはその者に言われた、「あなたは戒めを知っています。姦淫してはならない、殺してはならない、盗んではならない、偽りの証言者であってはならない、だまし取ってはならない、あなたの父と母を敬え」。彼は答えて、言った……「これらすべてを私は若い時からから守りました」。イエスは彼を見つめ、彼を愛された。そして言われた……「一つのものがあなたに欠けています。出かけなさい、あなたの持つどんなものでも、売って、貧しい者たちに与えなさい。あなたは宝物を天に持ちます。そして来て、十字架を取って、わたしに従いなさい」(10・17―22)。

[2]イエスは彼を愛した、と言われているのは、彼がそれらの戒めを若い時から守った、と言ったからです。しかし彼に三つのものが欠けていたので、それらは、自分の心を富から遠ざけなかったこと、欲望に対して闘わなかったこと、そしてまだ主を神として認めなかったことであり、それゆえ、主は、「持っているすべてのものを売りなさい」と言われました、このことによって心を富から遠ざけることが意味され、「十字架を取りなさい」と言われたことによって、欲望に対して闘うことが意味され、そして「わたしに従いなさい」と言われたことによって、主を神として認めることが意味されます。
主はこれらのことを〔他のみことばの〕すべてのものと同じく対応によって話されました(『聖書についての教え』17番参照)。というのは、悪を罪として避けることは、主を認め、その方に近づかないなら、悪に対して闘い、このように欲望を遠ざけないなら、だれにもできないからです。
しかしこれらのことについて多くのことを悪に対する闘争についての章で扱います。