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結婚愛 163

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163 (7) 夫の理性的な知恵との妻の結合は内部から、しかしその道徳的な知恵との妻の結合は外部から行なわれる
 男(夫)のもとの知恵は、理性的なものと道徳的なものの二重のものであり、それらの理性的なものの知恵は理解力だけに属し、道徳的な知恵は理解力と同時に生活に属すことは、熟慮と調査だけから結論され、見られることができます。
 しかし、男(夫)の理性的な知恵によって何が、その道徳的な知恵によって何が意味されるか知られるために、特に、何らかのものを列挙します。
 それらは、彼らの理性的な知恵であり、いろいろな名前で区別されています――全般的に、知識・知性・知恵と呼ばれます。けれども、特定的に、推理力・判断力・知力・学識・賢明さと呼ばれます。しかし、知識はそれぞれの者にその役割の中で特有であるので、それゆえ、さまざまです。というのは、聖職者に特有のもの・行政長官の人物に特有のもの・彼らのいろいろな職務に特有のもの・裁判官に特有のもの・医者と化学者に特有のもの・兵士と船員に特有のもの・技術者と職人に特有のもの・農夫に特有のもの等々があるからです。
 すべての知識もまた理性的な知恵に属していて、若者は学校の中でそれらへ、またそれらによってその後、知性へ導かれ、さらにまたいろいろな名前で呼ばれています、例えば、哲学・物理学・幾何学・機械学・化学・天文学・法律学・政治学・倫理学・歴史学、また多くのもの、それらによって、扉を通るかのように、理性的なものへ入れられ、それらから理性的な知恵が生じます。