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神の愛と知恵 65

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創造されたすべてのものの役立ちは、最後のものから人間へ、また人間を通って、それらのもとである創造者なる神へ、段階によって上昇している

65 前に言われたように、鉱物界のすべてと個々のものは、「最後のもの」です。それらは、石、塩、油、鉱物、金属の実体からのいろいろな種類の物質であり、植物と動物のものから最小の粉末へと分解した変わることのない土でおおわれています。これらの中に、いのちからのもの、目的と始めのものも、すべての役立ちが隠れています。すべての役立ちの目的は、役立ちを生み出そうとするコナトゥス(努力)であり、始まりはそのコナトゥスからの活動する力です。これらは鉱物界のものです。
 植物界のすべてと個々のものは「中間のもの」です。それらはすべての種類の草や草木、すべての種類の作物や潅木、すべての種類の木です。これら植物の役立ちは、その不完全なものと同様に完全なものも、動物界のすべてと個々のもののためのものです。動物に食物を与え、楽しみを与え、またを生き生きとさせます。動物のからだにそれ自体の物質を食物として与え、味、におい、美で、その感覚に楽しみを与え、その情愛を生き生きとさせます。それらへのコナトゥスもまた植物のいのちから内在します。
 動物界のすべてと個々のものは「最初のもの」です。その最も低いのものは虫や昆虫、中間のものは鳥や獣と呼ばれ、そして最高のものは人間です。なぜなら、すべての界に、最も低いもの、中間のもの、最高のものがあるからです。最も低いものは中間のものに役立つために、中間のものは最高のものに役立つためにあります。
 このような秩序で、創造されたすべてのものの役立ちは、最後のものから(秩序で)最初のものである人間へと上昇します。