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神の愛と知恵 286

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286 神が人間でないなら全世界とそのすべてを創造することができなかったことは、知的な者が、愛と知恵、慈悲と柔和、なおまた善と真理そのものが、それらはその方から存在するので、神の中に存在することを自分自身のもとで否定することができないことからきわめて明らかに理解することができます。これらを否定することができないので、神が人間であることも否定することができません。というのは、人間から切り離されたとき、それらのどれも存在することはできないからであり、人間はそれらの主体であり、それらをその主体から分離することは、それらが存在しないと言うことであるからです。
知恵について考え、それを人間の外に置いてみなさい、それは何ですか? あなたはそれをエーテルのようなものとして、あるいは炎のようなものとし考えませんか? もしかして、それらの中にないなら、あなたは考えることはできないし、もしそれらの中なら、人間にあるような知恵は形の中になくてはなりません。知恵がその中にあるために、それはすべてにおいてひとつも欠けることができないその形の中になくてはなりません。一言でいえば、知恵の形は人間です。また知恵の形は人間であり、これらは知恵と一つとして働くのでので、愛、慈悲、柔和、善と愛の形でもあります。
愛と知恵が形の中でしか存在することができないことは前に見られます(40―43番)。