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聖書について67

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67 人間のもとにあるみことばの自然的な意味から、どのように霊的な天使は自分の意味を、また天的な天使は自分の意味を引き出すか、ここで例によって説明します。
十戒の五つの戒めを例とします。
戒め「あなたと父とあなたの母を敬わなければならない」――
人間は「」と「」によって、地上の父と母を、また父と母に代わるようなすべての者を理解し、「敬うこと」によって、敬意を払い、その者に従うことを理解します。
しかし、霊的な天使は「」によって主を、「」によって教会を理解し、「敬うこと」によって、愛することを理解します。
けれども、天的な天使は「」によって主の神的愛を、「」によってその方の神的知恵を、「敬うこと」によって、その方から善を行なうことを理解します。
[2] 戒め「盗んではならない」――
人間は「盗むこと」によって盗むこと、だまし取ること、何らかの姿の下に隣人からその財産を取り去ることを理解します。
霊的な天使は「盗むこと」によって、他の者から虚偽と悪によってその信仰の真理と仁愛の善を奪うことを理解します。
けれども、天的な天使は「盗むこと」によって、主にあるものを自分自身に帰することを、そしてその方の義と功績を自分自身に要求することを理解します。
[3] 戒め「姦淫してはならない」――
人間は「姦淫すること」によって姦淫を犯すこと、淫行すること、わいせつなことを行なうこと、みだらなことを話すこと、不潔なことを考えることを理解します。
霊的な天使は「姦淫を犯すこと」によって、みことばの善を不純化すること、その真理を虚偽化することを理解します。
けれども、天的な天使は「姦淫を犯すこと」によって、主の神性を否定すること、みことばを冒涜することを理解します。
[4] 戒め「殺してはならない」――
人間は「殺すこと」によって、憎しみを抱くことを、殺人までも望む復讐を理解します。
霊的な天使は「殺すこと」の代わりに、悪魔を演じること、人間の魂を殺すことを理解します。
けれども、天的な天使は「殺すこと」の代わりに、主に、また主のものであるものに憎しみを抱くことを理解します。
[5] 戒め「偽りの証言をしてはならない」――
人間は「偽りの証言をすること」によって、偽ることと中傷することを理解します。
霊的な天使は「偽りの証言をすること」の代わりに、虚偽が真理であること、そして悪が善であること、またその逆のことを言うことと説きつけることを理解します。
けれども、天的な天使は「偽りの証言をすること」の代わりに、主とみことばを冒涜することを理解します。
[6] これらから、みことばの自然的な意味から、それに内在する霊的なものと天的なものがどのように開かれるか、また引き出されるか、見られることができます。また、驚くべきことですが、天使は、人間が何を考えているか知ることは別にして、自分のものを引き出します。しかし、それでも天使と人間の思考は対応によって、目的・原因・結果のように一つになっています。
さらにまた実際に、目的は天的な王国の中に、原因は霊的な王国の中に、結果は自然界の中にあります。
結合そのものは、対応によって創造からこのようなものです。
そこで、ここから、みことばによって、天使との交わりがあります。