カテゴリー

天界と地獄 15

14◀︎目次▶︎16

15  天界には区別される二つの愛である主への愛と隣人に対する愛があります。最内部のまたは第三の天界には主への愛があり、第二のまたは中間の天界には隣人に対する愛があります——両方とも主から発出し、両方とも天界をつくります。
どのように二つの愛が互いに区別されるか、どのように互いに結合するか、天界の中の明らかな光の中でははっきりしていますが、世では不明確でしかありません。
天界では、主を愛することによってその方を人物として愛するのではなく、その方からの善を愛することが意味され、善を愛することは、愛から善を欲し、行なうことです。隣人を愛することによって仲間を人物として愛するのではなく、みことばからの真理を愛することが意味され、真理を愛することは真理を欲し、行なうことです——ここから、これらの二つの愛は、善と真理のように区別され、善と真理のように結合されることが明らかです(*3)
しかし、これらのことは、愛とは何か、善とは何か、隣人とは何かを知らない者の観念の中には、ほとんど入ってきません(*4)


*3 主と隣人を愛することは、主の戒めにしたがって生きることである(10143, 10153, 10310, 10578, 10648)。
*4 隣人を愛することは人物を愛することではなく、彼のもとにある「彼を彼とするもの」を、そのように真理と善を愛することである(5028, 10336)。
人物を愛して、彼のもとにある「彼を彼とするもの」を愛さない者は、悪と善を等しく愛する(3820)。仁愛は、真理を意志し、真理のために真理に動かされることである(3876, 3877)。
隣人に対する仁愛は、すべての働きとすべての職務で、善・公正・正義を行なうことである(8120-8122)。