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天界と地獄 35

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35  このような相違があるので、ある天界の天使が他の天界の天使のところに入ることはできません、すなわち、ある者が低い天界から上ることや、高い天界から下ることもできません――低い天界から上る者は、苦痛を感じるほどの不安に襲われ、そこの者を見ることも、まして彼らと話すこともできません。高い天界から下る者は、自分の知恵を奪われ、声はつかえ、絶望します。
天界が天使の内的なものから構成されることをまだ教えられていなかった最外部の天界の者がいました。その者は、ただ上方の天使の天界に入るだけで、そこの天界の幸福に入れるだろうと信じていました。〔そこで〕彼らの間に入ることを許されました、しかし、そこに行ったとき、どれほど捜しても、だれも見つけ出せませんでした。それでも大群衆がいたのです。その到着者の内的なものは、そこの天使の内的な段階にまで開かれていないので、それゆえ、視覚も開かれていなかったからです。間もなく、自分のいのちがあるのか、ないのか、ほとんどわからないほどの心の苦悶に襲われました。そのために、急いでそこから、これまでいた天界へ戻り、自分の仲間の間に来て、喜び、もう自分のいのちに一致しないような高いものを望まないと約束しました。
さらにまた私は、高い天界から降ろされ、自分の天界がどんなものであったかわからなくなるようにまでも自分の知恵を奪われた者を見ました。
しばしばあることですが、主がある者を低い天界から高い天界へ、そこの栄光を見せるために上げられるときは異なります。その時、彼らは最初に準備され、仲介する天使に囲まれて、彼らを通して交わります。
これらから、それらの三つの天界は互いに完全に分かれていることが明らかです。