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天界と地獄168

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168  天使は、人間と話すとき、人間に固有な自然的な観念によっては決して話さないで、霊的な観念によって話します。自然的な観念のすべては、時間・空間・物質的なもの、それらに類似のものからであり、霊的な観念のすべては、天使の内と外のいろいろなものの状態とそれらの変化からのものです。しかしそれでも、霊的なものである霊的な観念が、人間のもとに流入するとき、一瞬にして、またそれ自体から、霊的なものと完全に対応している人間に固有な自然的な観念に変わります。このようになることを、天使も人間も知りません――人間のもとへの天界のすべての流入もまたこのようです。
私の思考の中へさらに近く入れられ、時間と空間からの多くのものがあった自然的なものの中へまでも入れられた天使がいました。しかし、その時、何も理解しなかったので、急に引き下がりました。引き下がった後、私はその天使が、「自分たちは暗やみの中にいた」と言い、語るのを聞きました。
[2]天使は時間についてどれほど無知であるか、経験から私に知ることが与えられました。
ある者が天界から来ました。彼は人間にあるような自然的な観念の中にもまた入れられることができるような者でした。それゆえ、私はその者と話し、後には人間と人間とのように話しました。
最初、彼は私が時間と名づけるものが何であるか知りませんでした。それで、私は、太陽が私たちの地球のまわりをどのように回転して見えるかを、また年と日をつくり、ここから四つの時期に区別され、さらにまた月と週に、そして日が二十四時間に区分けされ、これらの時間は一定に交替して繰り返され、ここから時間があることを全部教えなければなりませんでした。彼はこのことを聞いて、「このようなものを知りません、しかし、状態が何であるかは知っています」と言って驚きました。
[3]彼との会話の間に、私は「天界の中に時間がないことは世で知られています」と言いました。なぜなら、人間は、死者について、「彼は時をあとに残す、時から去った」と言い、このことによって世から去ることを意味するので、時間がないことを知っているかのように話すからです。
さらにまた私は、「ある者により、時間の起源は状態であり、そのことから、人間の中の情愛の状態に完全にしたがっていることが知られています。時間は楽しさと喜ばしさの中にいる者には短く、不快さと悲しみの中に者には長く、希望と期待の状態の中にいる者にはさまざまであることから――学者たちには、何が時間と空間か調べ、時間は自然的な人に属すものであることを知っている者もいます」と言いました。