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天界と地獄246

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28 人間との天使の話し方

246  人間と話す天使は、自分自身の言葉で話さないで、人間の言葉で話します。人間の知っている他の言葉でも話しますが、その人間に知られていない言葉では話しません。
このようであることの理由は、天使は人間と話すとき、自分自身を人間へ向けて、彼に結合させ、その結合により両者が同じ思考の中にいるようになるからです。人間の思考は記憶に密着しており、ここから話し方が流れ出るので、両者は同じ言葉の中にいます。
それゆえ、天使または霊は人間のもとに来るとき、彼へ向かって方向転換することによって彼と結合し、彼の記憶のすべての中に入り、人間が知ることを、またその言葉も、ほとんど自分自身から知っているとしか思えないほどになります。

[2]私が天使とこの事柄について話したとき、私は、「あなたがた〔天使〕はもしかして、私の母語で、私と話していると思うかもしれません、そのように思われるからです。そのときそれでも話している者はあなたがた〔天使〕ではなく、私です。このことは、天使は人間の言葉を一つも発音することができませんし(237)、さらにまた、人間の言葉は自然的であり、あなたがたは霊的であり、霊的な者は何らかのものを自然的に表明することができないことから、明らかにすることができます」と言いました。
これに応えて彼らは、「私たちは、人間と話すとき、彼の霊的な思考と結合していることを知っています。しかし、その人間の霊的な思考は彼の自然的な思考に流入するので、またその自然的な思考は彼の記憶に密着しているので、それゆえ、その言葉は自分のもののように思え、彼のすべての知識も同様です。このことの生じる理由は、このような結合が人間のもとにあり、いわば天界が挿入されることを主が喜ばれるからです。しかし、今日の人間の状態は別のものであって、それで、もはやこのような結合は、天使との間にはなく、天界にいない霊との間にあります」と言いました。
[3]同じこの事柄について私は霊ともまた話しました。しかし、彼らは人間が話すことを信じようとしないで、人間の中の自分たちが話すことを、さらに自分たちが知っていることを人間は知らないで、自分たちだけが知っており、また人間が知ったことはすべて自分たちからであることを信じていました――私は、そのようではないことを多くのことにより証明したかったのですが、しかし、むだでした。
霊によって特に何が意味され、また天使によって特に何が意味されるか、あとで霊たちの世界について扱うので、そこで語ります。