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天界と地獄292

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292 それぞれの人間のもとに善霊と悪霊がいます――人間は善霊によって天界と、悪霊によって地獄と結合しています。
それらの霊は天界と地獄の間の中間にある霊たちの世界にいますが、その世界については特にあとで扱います。
それらの霊は人間のもとにやって来るとき、彼の記憶のすべてのものの中へ、ここから彼の思考のすべてのものの中へ入ります。悪霊は悪いものである記憶と思考の中へ入ります。けれども、善霊は善いものである記憶と思考の中へ入ります。
霊は人間のもとにいることをまったく知りません。しかし、人間のもとにいるとき、人間のものである記憶と思考のすべてのものを自分自身のものであると信じていて、その人間を見ることもありません、私たちの太陽系の中にあるものは彼らの視覚に入らないからです(*1)
霊が人間のもとにいることを知ることがないように、主により、できるかぎり最大に警戒されています。なぜなら、もし知るなら、人間たちと話すからです。その時、悪霊はその人間を滅ぼします。なぜなら、悪い霊は、地獄と結合しているので、魂に関してだけでなく、すなわち、信仰と愛に関してだけでなく、身体に関しても、人間を滅ぼすことを何よりもまさって望んでいるからです。
人間と話さないなら、これと異なります。その時、彼らは自分の考えているものが、また自分たちの間で話しているものも人間からであることを知りません。なぜなら、霊の間で話していることもまた人間からのものであり、それで、彼らは自分たちのものであると信じます。だれもが自分自身のものを大切にし、愛します――そのようにして、霊は〔知らないうちに〕人間を愛し、大切にするように保たれています。
私は、人間と霊の結合がこのようであることを、多年の絶え間のない経験から、これ以上よく知っていることはないほどによく知っています。


*1 それぞれの人間のもとに天使と霊がいて、彼らによって人間に霊界との伝達がある(697, 2796, 2886, 2887, 4047, 4048, 5846-5866, 5976-5993)。
人間は自分自身のもとに霊がいなくては生きることができない(5993)。
霊が人間に見えないように、人間も霊に見えない(5862)。
霊は、彼らが話している人間によらないなら、人間のもとの私たちの太陽系の中のものを何も見ることができない(1880)。