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天界と地獄293

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293  地獄と伝達している霊もまた人間と連結しています。人間はあらゆる種類の悪の中に生まれており、ここから彼の最初のいのちはそれらの悪以外のものではないからです。それゆえ、人間に彼自身のような性質をもつ霊が接合していないなら、その人間は生きることができません、それどころか自分の悪から導き出され、改心することもできません――それゆえ、悪い霊によって自分のいのちに中に保たれ、また善い霊によってそれから引き留められ、さらにまた両者によって均衡の中にいます。均衡の中にいるので、自分自身の自由の中にいて、悪から導き出され、善へと曲げられ、また彼に善が植え付けられることもできます。このことは彼が自由の中にいないなら、決して起こりえません。一つの側から地獄からの霊が、またもう一つの側から天界からの霊が働きかけ、人間がその真ん中にいないなら、彼に自由もありえません。
さらにまた、人間が遺伝の中に、ここから自分自身の中にいるかぎり、もし悪の中に、そしてまた自由の中にいることが許されないなら、人間には何もいのちはないこと、さらに、善へと強いられることはできないで、強制したものは定着しないこと、そのようにまた、人間が自由の中で受ける善は、彼の意志に植え付けられ、彼のプロプリウム(固有のもの)のようになることが示されました(*2)。これらのことから、人間に地獄との伝達と天界との伝達があります。


*2 人間は愛するものを自由に行なうので、すべての自由は愛と情愛に属す(2870, 3158, 8987, 8990, 9585, 9591)。
自由は愛に属すので、彼のいのち(生活)に属す(2873)。
自由からのものでないなら、何もプロプリウム(固有のもの)として見られない(2880)。
改心することができるために、人間に自由がなくてはならない(1937, 1947, 2876, 2881, 3145, 3146, 3158, 4031, 8700)。
そうでなければ、善と信仰の愛は人間に植え付けられることが、外観上は自分自身のものであるのように自分のものにすることができない(2877, 2879, 2880, 2883, 8700)。
強制から生じるものは何も人間に結合されない(2875, 8700)。
人間が強制から改心することができるなら、すべての者は改心させられる(2881)。
改心における強制は有害である(4031)。
強制の状態とは何か(8392)。