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天界と地獄382

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382 (その1) 最内部の天界の天使は、善と真理の結婚の中に、また無垢の中にもいるので、本物の結婚愛はその天界の中にあります。低い天界の天使もまた結婚愛の中にいます、しかし、どれだけ無垢の中にいるかによります、なぜなら、結婚愛はそれ自体の中に無垢の状態が見られるからです。それゆえ、結婚愛の中にいる配偶者たちの間に天界の快さがあります。彼らの心(animus)の前には、幼児の間にあるような、ほとんど無邪気ともいえる遊びに似たものがあります。彼らの心(mens)を楽しませないものは何もないからであり、天界がその楽しさとともに彼らのいのちの個々のものに流入するからです。
それゆえ、結婚愛は天界の中できわめて美しいものによって表象されます。
私はそれが白光りする雲に囲まれた言うに言われぬ美しい乙女によって表象されているのを見ました――「天界の中の天使には結婚愛からすべての美しさがあります」と言われました。
結婚愛からの情愛と思考は、赤めのうやルビーがきらめくかのような、ダイヤモンドのオーラによって表象され、これは心の内的なものを歓喜とともに感動させます。
一言でいえば、天界は結婚愛の中にそれ自体を表象しています、天使の天界は善と真理の結合であり、この結合が結婚愛をつくるからです。

382 (その2) 天界での結婚は、地上の結婚がほかにも子孫の生殖のためのものでもあるのに、天界に生殖はないことから、地上の結婚と異なります。子孫の生殖の代わりに、天界には善と真理の繁殖があります。
その生殖の代わりにこの繁殖があることは、前に示されたように、その結婚は善と真理の結婚であるからです、またその結婚の中で、すべてにまさって善と真理が愛され、その結合が愛されます。それゆえ、これらが天界での結婚から繁殖されるものです。
ここから、みことばの中で「出生」と「生殖」によって、善と真理のものである霊的な出生と生殖が意味されます。「母と父」によって、生み出すものである善と結合した真理が意味され、「息子と娘」によって、繁殖されるものである真理と善が、「婿と嫁」によって、これらの結合が意味され、さらにこのようなものとなっています(*7)
ここから、天界の中の結婚は、地上の結婚のようなものではないことが明らかです。天界の中に霊的な婚姻がありますが、それは婚姻と呼ばれてはならないで、善と真理の結婚からの心の結合です。けれども、地上では婚姻が存在します、なぜなら、霊だけでなく、肉の婚姻もまたあるからです――天界に婚姻はないので、それゆえ、そこのふたりの配偶者は夫や妻と呼ばれません、配偶者は二つの心(mens)が一つに結合しているという天使の観念から、互いに相手を自分のものを意味する言葉で呼んでいます。
これらから、主のことばにある婚姻について(ルカ 20:35, 36)、どのように理解したらよいか知ることができます。


*7 「妊娠」・「出産」・「出生」・「生殖」は、善と真理のもの、すなわち、愛と信仰のものであるような霊的なものを意味する(613, 1145, 1255, 2020, 2584, 3860, 3868, 4070, 4668, 6239, 8042, 9325, 10249)。
ここから「生殖」と「出生」は、信仰と愛による再生と再び生まれること(復活)を意味する(5160, 5598, 9042, 9845)。
「母」は、真理に関する教会を、そのように教会の真理も意味する。「父」は善に関する教会を、そのように教会の善も意味する(2691, 2717, 3703, 5581, 8897)。
「息子」は、真理への情愛を、そのように真理を意味する(489, 491, 533, 2623, 3373, 4257, 8649, 9807)。
「娘」は、善への情愛を、そのように善を意味する(489, 490, 491, 2362, 3963, 6729, 6775, 6778, 9055)。
「婿」は、善への情愛と仲間となっている真理を意味する(2389)。
「嫁」は、その真理と仲間となっている善を意味する(4843)。