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天界と地獄 424

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424. 人間が理解力から考えることができ、それと同時に意志から考えないことができることは、改心することができるという目的のために備えられています。なぜなら、人間は真理によって改心され、真理は、前述したように、理解力に属すものであるから――というのは、人間は意志に関してすべての悪の中に生まれているからです。ここから、人間は自分自身からでは他の者に善を欲せず、自分自身にだけ善を欲します。自分自身にだけ善を欲する者は、他の者に生じる不幸を喜び、自分自身のために好都合なときはなおさら喜びます。なぜなら、他の者の所有物すべてを、名誉であれ、あるいは富であれ、奪って自分自身のものにしようとし、このことができればできるほど自分自身の中で喜ぶからです。
この意志が矯正され、改心されるために、真理を理解し、真理によって意志から湧き出る悪の情愛を支配することが人間に与えられています――ここから、人間は理解力から真理を考え、それらを話すことも、またそれらを行なうこともできます。しかしそれでも、真理を自分自身から、すなわち、心から、欲し、行なう以前に、真理を意志から考えることはできません――人間がこのようなものである時、理解力から考えるものは彼の信仰に属し、意志から考えるものは彼の愛に属します。それゆえ、その時、彼のもとで、信仰と愛は理解力と意志のように結合しています。