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天界と地獄449

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449. 私は身体の感覚に関して無感覚の状態に、このようにほとんど死の状態の中へ導かれましたが、それでも思考とともに内的に完全ないのちにとどまりました。死から生き返る者に起こり、起こったことを私が知覚して、それらの記憶を保有するためにです。
私は、身体の呼吸がほとんど取り去られ、希薄で音を伴わない身体の呼吸と結合した霊のものである内的な呼吸が残っていることを知覚しました。
天的な王国は人間の心臓に対応するので、その時、はじめて心臓の鼓動に関してその王国と伝達が与えられました(*5)――さらにまた、私はそこからの天使を見ましたが、何人かは遠くにいて、ふたりが頭の近くに座りました。そこで、すべてのプロプリウム(固有のもの)の情愛は取り去られましたが、それでも、思考と知覚は残りました。
[2]私はこの状態の中に数時間いました。その時、私のまわりにいた霊は、私が死んでいると思って退きました。防腐処置を施した死体からのような芳香性の匂いも感じられました。なぜなら、天的な天使がいる時、死体からは芳香のようなものが感じられ、霊がこれを感じるとき、近づくことができないからです。このように、はじめて永遠のいのちへ導き入れられるときもまた、人間の霊から悪い霊は押しとどめられます。
頭のそばに座っていた天使は、黙っていて、単にその考えを私に伝達していました。その考えが受け取られるとき、天使は人間の霊が身体から連れ出せるような状態の中にあることを知ります。
彼らの思考の伝達は、私の顔を見ることによって行なわれました。天界の中ではこのように思考の伝達が行なわれるからです。
[3]どのように生き返りが行なわれるかを私が知り、記憶しているために、私に思考と知覚が残っていたので、私は、天使が最初に私の思考について、それはたいてい永遠のいのちについてですが、死ぬ者と似たものであるかどうか調べ、その思考の中に私の心(mens)を保とうと欲していることを知覚しました。
その後、「人間の霊は身体が息絶えるとき、それでも自分の最後の思考の中に保たれ、それから世で共通のあるいは支配していた自分の情愛からのものである思考へ戻ります」と言われました。
特に、私の心のものである内的なものが、このように私の霊が、吸引されること、身体から引き裂かれるようであったことを知覚し、感じることが与えられ、「これは主からなされ、ここから復活がなされます」と言われました。


*5 心臓は主の天的な王国に対応する、けれども、肺は主の霊的な王国に対応する(3635, 3886, 3887)。