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天界と地獄 453

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47 死後、人間は完全な人間の形をしている

453 人間の霊の形が人間であることは、すなわち、霊が形に関してもまた人間であることは、前に多くの章の中で示されたことから明らかにすることができます。特に、それぞれの天使は完全な形の人間であること(73-77)、それぞれの人間は自分の内的なものに関して霊であること(432-444)、天界の天使は人類から存在すること(311-317)の中で示されています。

 [2]このことは、人間は自分の霊から人間であり、身体からではないこと、身体の形は霊の形にしたがって霊に付け加えられたものであってその逆ではないことから、さらにはっきりと把握することができます。なぜなら、霊は自分の形にしたがって身体を着ているからです――それゆえ、人間の霊は、身体の細部に、それどころか最小のものに働きかけていて、霊により働きかけられない部分は、すなわち、その中で霊が働いていない部分は生きていないほどになっています。

そのようであることは、だれもが、思考と意志は、身体のすべてと個々のものを、その意向に協力しないものは何もなく、また協力しないものを身体の部分ではないように、またその中にいのちがないかのように投げ出してしまうようにして、完全に動かすことだけからも知ることができます――思考と意志は、人間の霊的なものに属し、身体には属していません。

[3]人間には、身体から解き放たれた後の霊が、また他の人間の中でも、霊が人間の形で見えないのは、身体の視覚の器官が、すなわち、その目が、世で生きているかぎり、物質的であるからです。物質的なものは物質的なものしか見ませんし、霊的なものは霊的なものしか見ません。それゆえ、目の物質的なものがおおわれて、〔その目の〕霊的なものと一緒に働くことが奪われる時、〔霊的な目が開かれて〕霊はその形の中に、人間の形の中に見られます。霊界にいる霊だけでなく、今なお他の者の身体の中にいる霊もまた見られます。