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天界と地獄 73

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10 ここから、それぞれの天使は完全な人間の形をしている

73  前の二つの章の中で、天界は全統一体としてひとりの人間を表わすこと、天界の中のそれぞれの社会も同様であることを示しました――そこに提示された関連する理由から、それぞれの天使も同じく人間を表わすことがいえます。

天界は最大の形の人間であり、天界の社会は小さい形の人間、このように天使は最小の形の人間です、なぜなら、天界の形のような最も完全な形の中には、全体に類似のものが部分の中にあり、部分に類似のものが全体の中にあるからです――このようであることの理由は、天界は交わりであり、自分のすべてのものをそれぞれの者と共有し、それぞれの者はその共有のものから自分のすべてのものを受け取るからです。前の章でも示されているように、天使は容器であり、ここから最小の形の天界です。
人間もまた、天界を受け入れれば受け入れるほど、それだけ容器であり、天界であり、天使です(前の57番参照)。
このことは「黙示録」の中に次のように述べられています、

聖なるエルサレムの「城壁が測られた」、「人間の尺度で百四十四ペーキュス、それは天使の尺度でもある」(21:17)。

そこの「エルサレム」は、主の教会であり、さらにすぐれた意味では天界です (*1)。「城壁」は、虚偽と悪の攻撃から守る真理です (*2)。「百四十四」は、統一体としてのすべての真理と善です (*3)。「尺度」は、その性質です (*4)。「人間」は、自分の中に真理と善のすべてのものが全般的にも部分的にも、このように自分の中に天界がある者です。そして、天使もまた真理と善から人間であるので、それゆえ、「人間の尺度で、それは天使の尺度でもある」と言われます。
これがそれらのことばの霊的な意味です。
その意味がなくて、聖なるエルサレムの城壁が人間の寸法で、それは天使の寸法でもあったことを、だれが理解するでしょうか? (*5)


*1  「エルサレム」は、教会である(402, 3654, 9166)。
*2  「城壁」は、虚偽と悪からの攻撃を守る真理である(6419)。
*3  「十二」は、全体としてのすべての真理と善である(577, 2089, 2129, 2130, 3272, 3858, 3913)。
百四十四は、それ自体に十二を掛けることから生じるので、「七十二」と「百四十四」も同様である(7973)。
みことばの中で、すべての数は事柄を意味する(482, 487, 647, 648, 755, 813, 1963, 1988, 2075, 2252, 3252, 4264, 4495, 5265)。
単純な数を掛けることによって生じる掛けられた数は、もとの単純な数と似たことを意味する(5291, 5335, 5708, 7973)。
*4  みことばの中の「尺度」は、真理と善に関する事柄の性質を意味する(3104, 9603)。
*5  みことばの霊的な意味、すなわち、内意については、「黙示録」の中の『白い馬』について、また『天界の教えへの付録』の解説を見よ。