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天界と地獄 528

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55 天界へ導かれる生活を送ることは信じられているほど困難ではない

528 霊的な生活と呼ばれる天界へ導かれる生活を送ることは困難である、と信じる者がいます。その理由は、「人間は世を捨て、自分自身から身体のもの、肉のものと呼ばれる欲望を剥ぎ取り、霊的に生きなければならない」と聞かされたからです。彼らは、それらのことを、「世俗的なもの、特に富と名誉を退け、絶えず、神・救い・永遠の生活について深い瞑想のうちに生き、祈りと、みことばや信仰の本を読んで生活しなければならない」としか理解しません。これらのことが世を捨て、肉でなく霊に生きることであると考えます。
しかし、事実はまったく異なることを、私は多くの経験から、また天使たちとの会話から知るようになりました。それどころか、世を捨て、このように、霊に生きる者は、天界の楽しさを受け入れることのできないゆううつないのち(生活)をもってしまいます、なぜなら、それぞれの者に自分自身のいのち(生活)が残るからです。しかし、人間は天界の生活を受け入れるために、必ず、世で、そこの職務や仕事の中で生きなければなりません、またその時、道徳的で市民的な生活によって霊的な生活(いのち)を受けます。これ以外に、人間のもとに霊的な生活(いのち)が形成されることはできません、すなわち、人間の霊が天界へ準備されることはできません。
なぜなら、内なる生活をし、同時に外なる生活をしないなら、土台のない家に住むようなものであり、その家は、沈み続けるか、あるいは割れ目ができて口を開けるか、あるいは倒れるまでぐらつき続けるからです。