カテゴリー

天界と地獄 550

549◀︎目次▶︎551

550 悪霊は霊たちの世界でひどく罰せられますが、それは罰によって悪の実行を抑制するためです。このこともまた主からのように見えます。
しかしそれでも、そこの罰は、決して主からではなく、悪そのものから存在します。なぜなら、悪にはそれ自体の罰が分離されることができないように結合しているからです――地獄の連中は悪を行なうこと、特に、罰を加え、苦しめること以上に願い、愛することは何もなく、また主により守られていない者のだれにも、悪を行ない、罰を加えるからです。それゆえ、だれかが悪の心から悪を行なう時、そのことによって主からのすべての保護を退けるので、このような悪を行なう地獄の霊がその者に突進し、罰します。
このことは、世の悪とその罰から、ある程度、説明されることができます。
そこの法律はそれぞれの悪に罰を規定しているので、そこでもまた結びついているからです。それゆえ、悪へ突き進む者は、悪の罰へもまた突き進みます。
ただ、世の悪は隠されることができます、けれども、来世では隠されないという相違があります。
これらから、主は決して悪を行なわれないこと、またこのことは世と同様であることを明らかにすることができます。すなわち、王も、裁判官も、法律も、罪が罰せられる原因ではありません、悪を行なう者の悪の原因ではないからです。