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天界と地獄 555

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555 最初、私は、自己愛と世俗愛がこのように悪魔的であり、その愛の中にいる者が外見ではこのように怪物であることがどこからなのか、不思議に思いました。世では自己愛についてほとんど考慮せずに、自尊心と呼ばれる外なるものの中での心(animus)の高まりが、これは視覚に見えるので、これだけが自己愛であると信じられています。さらに自己愛は、このように現われないので、世では活力の火であると信じられています。そこから人間は職を求めることへ、また役立ちを果たすことへとかきたてられ、その中に名誉と栄光を見ないなら、人間の心は不活発になります。
彼らは、「他の者により、または他の者の心の中で、称賛され、尊敬されないなら、何らかの価値のあること、役立つこと、また注目すべきことを、だれが行なうのか? また、栄光と名誉のための、結果として自分自身のための、愛の火からでないなら、どこからなのか?」と言います。ここから、本質的に眺められるとき、自己愛は地獄を支配し、人間のもとで地獄をつくる愛であることが世では知られていません。
このようなので、私は、自己愛とは何か、その後、その愛からすべての悪とそこからの虚偽が湧き出ることを最初に述べます。