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天界と地獄 556

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556 自己愛は、ただ自分にだけよいようにと欲し、自分のためでないなら他の者によいように、また決して、教会・祖国、または何らかの人間の社会によいようにとは欲しません。そのようにまた、自分自身の名声・名誉・栄光のためになるときだけ、それらによくしようとします。役立ちを果たすとき、役立ちの中に自分自身の名声・名誉・栄光のためになるものを見つけないなら、心の中で、「何の関係があるのか?なぜこのことをするのか? ここから何が私に得られるのか?」と言い、こうしてやめてしまいます。
ここから、自己愛の中にいる者は、教会も、祖国も、社会も、何らかの役立ちも愛さないで、自分自身だけを愛することが明らかです。彼の快さは単に自己愛の快さです。愛からやって来る快さが人間の生活をつくるので、それゆえ、彼の生活は自分自身のための生活です。そして自分自身のための生活は人間のプロプリウム(固有のもの)からの生活であり、本質的に眺められた人間のプロプリウムは悪以外の何ものでもありません。
自分自身を愛する者は、自分自身のものもまた愛します。それらは特定的には彼の子と孫であり、全般的には、自分自身のものと呼ぶ彼と一つとなっているすべてのものです。それらを愛することは、自分自身を愛することでもあります、なぜなら、それらを自分自身の中に、またそれらの中に自分自身があるかのように眺めるからです。
自分自身のものと呼ぶものの中に、彼を称賛し、尊び、礼拝するすべて者も含まれます。