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天界と地獄 558 (1)

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558(その1) さらに、ある者が役立ちと善を愛することである天界の愛の中にいて、教会・祖国・人間の社会・仲間の市民のためにそれらの愛を実践するとき、心が快さに満たされていればいるほど、それだけ主により導かれています。その愛は主の中にあり、主からのものであるからです――しかし、ある者が役立ちと善を自分自身のためになし遂げる自己愛の中にいればいるほど、それだけ自分自身により導かれます。
自分自身によって導かれれば導かれるほど、それだけ主によって導かれません――ここからもまたいえることは、だれでも自分自身を愛するほど、それだけ自分自身を神性から、こうして天界から遠ざけることです。
自分自身によって導かれることは、自分自身のプロプリウムによって導かれることです。そして、人間のプロプリウムは悪以外の何ものでもありません。なぜなら、その悪は遺伝悪であり、それは主よりも自分自身を、そして天界よりも世を愛するからです(*2)
人間は行なう善の中で自分自身に目を向けるたびごとに、それだけ自分のプロプリウムに、このように自分の遺伝悪の中に入れられます。なぜなら、自分自身から善へでなく、善から自分自身へ目を向けるからです。それゆえ、善の中に神的な映像ではなく、自分自身の映像を示します。
このようであることを、私はさらにまた経験によって確信しました。
天界の下の北と西の中間の地域に住んでいる悪い霊がいます。その者は、正直な霊をそのプロプリウムへ、こうしていろいろな種類の悪の中へ引き入れる技術に熟練しています。あからさまな称賛と敬意によって、あるいは善良な霊の情愛をひそかに自分自身へと向けることによって、彼らを自分自身についての思考の中に引き入れます――このことをやり遂げればやり遂げるほど、それだけ正直な霊の顔を天界から背かせ、それだけ彼らの理解力を暗くし、彼らのプロプリウムから悪を呼び出します。


*2 人間が両親から遺伝により得ているプロプリウムは、執拗な悪以外の何ものでもない(210, 215, 731, 876, 987, 1047, 2307, 2308, 3518, 3701, 3812, 8480, 8550, 10283, 10284, 10286, 10731)。
人間のプロプリウムは、神よりも自分自身を、天界よりも世を愛することであり、自分自身と比べて隣人を自分のためにならないなら無とし、このように自分自身にだけ行ない、こうして自己愛と世俗愛である(694, 731, 4317, 5660)。
すべての悪は、主権をもつとき、自己愛と世俗愛から出てくる(1307, 1308, 1321, 1594, 1691, 3413, 7255, 7376, 7488, 7488, 7489, 8318, 9335, 9348, 10038, 10742)。
それらは、他の者への軽蔑・敵意・憎しみ・残酷・欺きである(6667, 7370, 7374, 9348, 10038, 10742)。
また、これらの悪から、すべての虚偽が湧き出る(1047, 10283, 10284, 10286)。