カテゴリー

天界と地獄 573

572◀︎目次▶︎574

573 地獄の火によって自己愛から流れ出る悪を行なおうとするすべての欲望が意味されるので、ここから同じ火によって地獄の中にあるような責め苦もまた意味されます――なぜなら、その愛からの欲望は、自分を尊敬し、崇め、礼拝しない他の者を傷つけようとする欲望であるからです。ここからの怒りを、また怒りから憎しみと復讐を得れば得るほど、それだけその欲望は彼らに対して残酷に振る舞うものとなります――このような欲望が社会の中のそれぞれの者に内在していて、そこに法律に対する恐れそして名声・名誉・利益・いのちを奪われることに対する外なる束縛が抑制されない時、それぞれの者は自分自身の悪から他の者へ突進し、欲するかぎり、さらに支配し、他の者を自分の支配に服従させます。服従しない者に対しては、快さから残酷に振る舞います。
この快さは、同じような段階の支配する快さと完全に結合しています、傷つけようとする快さには、前に言われたように、その愛の悪のものである反目・ねたみ・憎しみと復讐が内在するからです。
すべての地獄はこのような社会です。それゆえ、そこのそれぞれの者は心で他の者に対する憎しみを抱き、憎しみからできるかぎりの残酷の中へと突入します。
これらの残酷とそこからの責め苦もまた地獄の火によって意味されます。なぜなら、欲望の結果であるからです。