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天界と地獄 579

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579 悪鬼と呼ばれる者にどのような悪意があるか、経験によって知るようになりました。
悪鬼は、思考でなく、情愛に働きかけ、流入します――獣を森の中で犬のようにかぎ出し、情愛を把握します。善良な情愛を把握すると、不思議にも本人の快さによってそれらを導き、そらせて、たちまち悪へと変えます。そしてこのことを、他の者が何も気づかないように、このようにひそかに、何かが思考の中に入り、こうして明らかにされることのないように巧みに用心して、このように悪質な技巧で行ないます。
人間のもとでは、後頭部の下に居座っています。
これらの者は、世では他の者の情愛の快さまたは欲望によってその心(animus)を導き、説きつけ、欺いてその心を捕らえた人間でした。
しかし、彼らは主により、何らかの改心の望みがあるすべての人間への接触を妨げられています。彼らは人間のもとで良心を破壊するだけでなく、その遺伝悪をかきたてることができるような者であるからです。かきたてられなければ、その遺伝悪は深く隠されています――それゆえ、人間がその悪の中へ導き入れられないように、主はこの地獄が完全に閉ざされているよう配慮されています。それで、死後、このような性質の人間が来世にやって来るとき、彼は直ちに彼らの地獄に投げ入れられます。
さらにまた、欺きと策略について眺められるとき、彼らはマムシのように見えます。