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結婚愛 265

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265 その後、地獄が開かれ、そこに、私はふたりの者を見た、ひとりは、長椅子の上に座り、ヘビでいっぱいのかごの中に足を入れたままにしており、それらのヘビが、足を通って上方へ首にまで這っているのが見られた。もうひとりは、火のようなロバの上に座っていて、その脇腹に赤いヘビが首と頭を上げて這い、乗っている者に従っていた。
 私は、その者は皇帝の支配権を奪った教皇たちであり、ローマでは、〔皇帝に〕自分たちを懇願させ、自分たちを崇拝させながら、悪く話し、悪く扱ったと言われた——その中にヘビが見られたかごは、また脇腹のヘビとともに火のようなロバは、自己愛から支配する愛の表象であり、同様のものは、遠方からそこに眺める者にしか見られなかった。
 何人かの聖職者が居合わせ、私は彼らに、彼らが同じ教皇たちであったがどうか質問した。彼らは、「彼らと知り合いであった、彼らであるとわかる」と言った。