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結婚愛 277

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277 (6) 内なる情愛が結合していない結婚生活の中に、内なるものを偽り装い、仲間となっている外なる情愛が存在する
 内なる情愛によって、天界から両方の者の心(mens)の中にある相互の性向が意味されます。しかし、外なる情愛によって、世から両方の者の心の中にある性向が意味されます――後者の情愛または性向は確かに等しく心のものです、しかしその低い領域を占めています、けれども、前者は高い領域を占めています――しかし、二つのものは自分の座を心の中に定められているので、似たものまた適合するものであると信じられることができます。しかし、たとえ似たものでなくても、それでも似たものに見られることができます、しかし、ある者のもとで適合するもののように、ある者のもとで快く柔らかい見せかけのもののように存在するようになります。
[2]ある種の共有が結婚の契約の最初から両方の者に植え付けられていて、それらは、たとえアニムス(気質)が不一致であっても、それでも植え付けられて残ります。例えば、所有物(財産)の共有、多くの者の中で役立ちの共有、家のいろいろな必需品の共有、また思考も、またある種の秘密の共有、さらにまた寝床の共有、また幼児への愛の共有です。ほかにも多くのものがあり、それらは結婚の契約にあるので、彼らの心にも、刻み込まれています。
 これらから、特に外なる情愛が存在し、それらは内なる情愛に似たものとして扱われます。けれども、単にそれらを偽り装うそれらは、部分的に同じ起源から、また部分的に他の起源からのものです。しかし、両方のものについて、続きの中で扱います。