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結婚愛 333

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333 (1) ひとりの妻とでないなら真の結婚愛は存在することができない、したがって、真の結婚の友情・信頼・能力はない。二つのものが一つの肉であるような心の結合もない
 今日、真の結婚愛がこれほどにまれであり、一般的に知られていないことは、前にたびたび示されました。それでもなお、実際に存在することは、その章で、またその後、時々、続きの中で、証明し、示しました。
 そうでなければ、他のすべての愛に卓越と楽しさでまさっているそのような愛が存在することを、すべての愛について取るに足らないものであるとするほどに、自己愛や世俗愛に、それどころか、いのちへの愛にまさることを、経験が証言していることを、だれが知りませんか?
 婚約者として女の願望と懇願のために、ひざまずき、彼女をあたかも女神かのように崇拝し、気に入られるために最も卑しい奴隷のように自分自身を服従させる者がいませんでしたか、いませんか? その愛が自己愛にまさる証拠です。
 婚約者として女の願望と懇願のために、財産を、それどころか、もし所有するなら宝物を無価値なものとみなす、そしてまたそれらを浪費する者がいませんでしたか、いませんか? その愛が世俗愛にまさる証拠です。
 婚約者として女の願望と懇願のために、自分のいのちそのものを価値のないものとして判断し、その誓いが約束されないなら、その願いを死で激しく欲する者がいませんでしたか、いませんか? このこともまた、死までも争う多くの競争相手が証言しています。その愛がいのちへの愛にまさる証拠です。
 婚約者として女の願望と懇願のために、〔その〕拒否から狂った者になった者がいませんでしたか、いませんか?
[2]だれが、多くの者のもとのその愛のこの始まりから、理性的に結論することができませんか――その愛はその本質から他のすべての愛の上に最高のものとして支配し、人間の霊魂は、その時、その中にあり、そして永遠の至福の願いと懇願とともにそれを誓約することです。もし、あらゆる方向へ尋ねるなら、自分の霊魂と自分の心をひとり(の女)にささげること以外の他の理由を、だれが見ることができませんか? なぜなら、愛する者が、全世界の最も価値ある、最も豊かな、また最も美しい〔異〕性から選ぶ選択権が与えられていて、その状態の中にいる時、選択権を見下し、選んだ者にしがみつくのではありませんか? というのは、彼の心は唯一の女へ向けてであるからです。
 これらが言われたのは、このような卓越した結婚愛が存在すること、また〔異〕性からのひとり(の女)が愛される時、存在することを、あなたがたが認めるためです。
 推論を関連性の中で鋭く洞察して熟慮する者で、だれが理解力によってここから導くことができませんか? 〔それは〕もし愛する者が霊魂から、すなわち、最内部のものから変わることなく彼女へ向けての愛に居続けるなら、それらを自分自身に承諾の前に、また承諾の中で永遠の彼女の至福を達成させることを誓約することです。
 さらにまた、もし主に近づき、その方から真の宗教を生きるなら、それらが達成されることが前に示されています。
 〔主以外の〕他のだれが、上から人間のいのちを入れ、内なる天界の楽しさを注ぎ、さらにまた同時に不変の精力を与える時、さらに多く、結果へ移すのですか?
 自分自身のもとに、そしてこの者のまたその者のもとにないから、このような愛が存在しない、ありえもしない、という帰結に効力はありません。