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結婚愛 355

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36天界での、妻を愛することの永続する能力について

355 (第二のメモラビリア——)
 かつて、私が霊たちの世界の中を眺めたとき、私はある草地に、世の人間たちの衣服に似ている衣服を着た男たちを見た。そのことから私は、近ごろ世から到着したことを知った。
 私は彼らに近づき、何を自分たちの間で話しているか聞くために脇に立った。
 彼らは天界について話していた。天界について何らかのものを知っていた彼らの間のひとりが、「そこに驚くべきものがある、それらは見たことがないならだれにも決して信じられることができない。例えば、楽園のような庭園、巧みに建築された荘厳な宮殿、技術そのものからであるので、金からできているかのように光り輝き、その前に銀からできた柱、それらの上に宝石からできた天界の形、そしてまた、碧玉と青玉からできた家があり、その前に堂々とした柱廊(アーケード)、それを通って天使たちが入り、そして家の中の内部に、技術でも言葉でも、表現されることができない装飾がある」と言った。
[2]「天使そのものについては両性からであり、若者と夫たちと娘と妻たちである。娘たちは世に似たものが存在しないようにも、これほどに美しい。しかし、妻たちはなおさら美しく、それは天界の愛の本物の似姿のように見られる。そして、彼女の夫たちは天界の知恵の似姿のようである。これらのすべての者は青春期の若者である——さらに、そこでは、結婚愛以外の他の性愛が何か知られていない——あなたがたは、夫たちに楽しむことの永続する能力があることに驚く」。
 新しくやって来たそれらの霊たちは、そこに結婚愛以外の他の性愛が存在しないこと、彼らに楽しむことの永続する能力があることを聞いたとき、互いにほほ笑み、言った、「あなたは信じられないことを話す、このような能力はありえない、おそらく、あなたは作り話を語っている」。
[3]しかしその時、突然、天界からある天使が彼らの真ん中に立ち、言った、「どうか私〔の言うこと〕を聞いてください——私は天界の天使です、私の妻と私は、今や千年、生活し、その間、同じような花の年齢の中の私を、あなたがたはここに見ています。このことは私に、私の妻との結婚愛からです——私は、私にその永続する能力があったこと、〔今も〕あることを断言することができます。私は、あなたがたがこのことはあり得ないと信じていることを知覚するので、この事柄についてあなたがたと、あなたがたの理解力の光にしたがって理性から話しましょう。
 あなたがたは人間の初期の状態について何らかのものを知りません、それはあなたがたから完全な状態と呼ばれています。その状態の中で、心の内的なすべてのものは主にまでも開かれ、ここからそれは愛と知恵の結婚すなわち善と真理の結婚の中にありました。愛の善と知恵の真理は互いに永続的に愛するので、永続的に結合されることを欲します。また、心の内的なものが開かれるとき、その霊的な結婚のものはその永続的な努力とともに自由に流れ下り、その能力をもたらします。
[4]人間の霊魂そのものは、善と真理の結婚の中にあるので、永続するそれらの結合の努力の中にあるだけでなく、自分に似たものの結実と生産の努力の中にあります——人間の内的なものが、霊魂からまでも、その結婚から開かれているとき、そして内的なものが最終的なものの中に、目的として存在するように絶えず結果に目を向けています、ここから、霊魂自体に似たものを結実し、生産するその永続する努力〔があり〕、身体に属すものになります。ふたりの配偶者(夫婦)のもとの身体の中の霊魂の最終的な作用は、そこに愛の最終的なものの中にあり、これらは霊魂の状態に依存するので、彼らのこの永続性がどこからであるか明らかです。
[5]さらにまた、愛のものである天的なものと知恵のものである霊的なものを産むことの永続する結実があり、ここから子孫である自然的なものがあります、主から発出する天界全体と世界全体を満たし、繁殖させる普遍的なスフェアがあるからであり、天界のそのスフェアは人間のすべての霊魂を満たし、彼らの心を通って身体の中へその最終的なものまで降り、産む力を与えます。しかしこの力は、霊魂から心の高いものと低いものを通って身体の中へ、その最終的なものへ通路を開いている以外の他の者に与えられることができません、このことは創造の初期の状態へ主により戻されることを自分自身に許す者のもとに生じます。
 私は、今や千年の間、決して能力が、力が、精力が私に欠けなかったこと、力の減少について何も知らないことを断言することができます、これは前述の普遍的なスフェアの絶え間のない流入によって絶えず新しくされ、その時、霊魂もまた喜ばせ、それらが奪われることを被る者のように悲しませないからです。
[6]さらに、真の結婚愛は、まったく春の熱のようであり、その流入からすべてのものは発芽と結実へ向かおうとします。私たちの天界に他の熱はありません——それゆえ、夫婦のもとに、そこに春がその永続する努力の中にあり、この永続する努力があって、それからその力があります。
 しかし天界の私たちのもとの結実は、地の彼らのもとのものとは別ものです。私たちのもとに愛と知恵のものすなわち善と真理のものである霊的な結実があります。妻は夫の知恵から自分自身の中にその〔知恵への〕愛を、夫は妻の中のその愛から自分自身の中に知恵を受けます。それどころか、妻は実際に、夫の知恵への愛に形作られています、そのことは自分の夫の知恵の愛になることを欲すること、そのことから起こる歓喜とともに、彼の霊魂の繁殖を受容することによって生じます。そのように、彼女は娘から妻になり、似姿になります。ここからさらにまた、愛は妻のもとのその最内部の友情とともに、そして知恵は夫のもとのその幸福とともに、永久に、これが永遠に増大します——これが天界の天使の状態です」。
[7]天使がこれらを話したとき、世から近ごろやって来た者を注視し、彼らに言った、「あなたがたは、あなたがたが愛の精力の中にいた時、あなたがたはあなたがたの配偶者を愛したこと、また歓喜の後、あなたがたは向きを変えたことを知っています——しかしあなたがたは、天界の私たちはその精力から配偶者を愛するのではなく、愛から私たちに精力があること、永続するものが私たちにあることを知りません、私たちが永続的に配偶者を愛するからです——それゆえ、もし状態を逆さにすることができるなら、あなたがたはこのことを把握することができます。永続的に配偶者を愛する者は、全心と全身で彼女を愛しませんか? というのは、愛は心のすべてのものを、身体のすべてのものを愛する者へ向け、それがお互いに行なわれるので、そのように一つのものになるように彼らを結合させるからです」。
[8]さらに言った、「私はあなたがたに、創造から男性と女性に植え付けられた結婚の愛について、正当な結合へ向けての彼らの性向について、真理への愛から知恵を増す能力と一つをつくる男性の中の生殖力の能力について、また人間がその愛から知恵をすなわち善から真理を愛すれば愛するほど、それだけ真の結婚愛の中に、またそれに伴う精力の中にいることは話さないでおきましょう」。