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結婚愛 357

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(十五)嫉妬について

357 ここに嫉妬について扱います、結婚愛にも関係するからです。
しかし、正しい嫉妬と不正な嫉妬が存在します――正しい嫉妬は互いに愛し合う配偶者にあります。これらの者に彼らの結婚愛が害されないようにその正しいまた賢明な嫉妬があり、もし害されるならここから正しい悲しみがあります。しかし、不正な嫉妬が疑い深い性質の者にあり、それらの者に粘液質や胆汁質の血液から心の病気があります。
さらに、すべての嫉妬は、ある者により落ち度としてみなされています。それは特に淫行する者により生じ、その者は正しい嫉妬の中に侮辱もまた投げ入れます――それでも嫉妬(zelotypia)は熱意(zelus)と型(typus)から導かれ、そして正しい熱意の型または像と不正な熱意の型または像が存在します。しかし、それらの相違を、今から続くものの中で説明します。それをこれらの系列の中で行ないます――

(1) 本質的に見られた熱意は燃える愛の火のようである。
(2) 熱意であるその愛の燃えることまたは炎は、愛からの悩ますことや攻撃から起こる霊的な燃えることまたは炎である。
(3) 人間の愛がどのようなものであるかによって、善の愛がある者に、また悪の愛がある者に、そのような熱意がある。
(4) 善の愛の熱意と悪の愛の熱意は外なるものの中で互いに似ている、しかし、内なるものの中でまったく違っている。
(5) 善の愛の熱意はその内なるものの中に愛と友情を隠している。しかし、悪の愛の熱意はその内なるものの中に憎しみと復讐を隠している。
(6) 結婚愛の熱意は嫉妬と呼ばれる。
(7) 嫉妬は、配偶者の愛を悩ましているものに対する燃える火のようであり、その愛が奪われることに対する身震いする恐れのようである。
(8) 一夫一婦の者に霊的な嫉妬があり、一夫多妻の者に自然的な嫉妬がある。
(9) 互いにやさしく愛する夫婦の嫉妬は、結婚愛が分裂され、こうして滅びないようにとの健全な理性からの正しい悲しみである。
(10) 互いに愛していない夫婦のもとに、多くの原因のために嫉妬がある。ある者のもとで、心のいろいろな病気からである。
(11) ある者に何も嫉妬がない、このこともいろいろな原因からである。
(12) めかけに対する嫉妬もあるが、このようなものは妻に対するようなものではない。
(13) 嫉妬は獣にも鳥にもある。
(14) 男や夫にある嫉妬と女や妻にある嫉妬は異なる。

今からこれらの説明を続けます。