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結婚愛 373

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373 (10) 互いに愛していない夫婦のもとに、多くの原因のために嫉妬がある。しかし、ある者のもとで、心のいろいろな病気からである
 互いに愛していない夫婦にもまた嫉妬がある原因は、特に能力の名誉、自分のそしてまた妻の評判が中傷される恐れ、そして家庭の事柄で揺り動かされないようにとの恐怖です。
 男に能力の名誉があること、すなわち、その能力から称賛されることを欲していることは、よく知られています。なぜなら、彼らにこの能力があるかぎり、心で高揚されているようであり、また男と女たちの間で顔で低くされない〔恥ずかしくない〕からです――その名誉に、強いことの評判もまた結び付けられています。それゆえ、軍務の士官に他の者よりもさらに固く宿ります。
 自分のまた妻の評判が中傷される恐れがあることは、前の原因と密接に関連します。追加の事実は、娼婦と一緒に住み、家が淫売宿のようであることは悪評であることです。
 家庭の事柄で揺り動かされないように、ある者に嫉妬があるのは、それだけ夫はみくびられ、そして相互の本分と助けが切り離されるからです。しかし、この嫉妬はある者のもとで時が経つにつれて終わり、無になります。また、ある者のもとで単なる愛の見せかけに変えられます。