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結婚愛 377

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377 (12) めかけに対する嫉妬もあるが、このようなものは妻に対するようなものではない
 妻に対する嫉妬は人間のもとの最内部から、しかし、めかけに対する嫉妬は外なるものからわき出ます、それゆえ、別の種類のものです。
 妻に対する嫉妬が最内部からわき出る理由は、結婚愛がそこに住んでいるからです。そこに住んでいることは、結婚が契約によって確立されたその永遠の取り決めから、そしてまた権利の平等にしたがって、一方の者のものが他方の者のものであり、霊魂を結合させ、心を上部で結ぶからです――いったん与えられたこのきずなを結ぶこととその結合は、その後、間に起こる愛が、あるいは熱いあるいは冷たいどんな種類のものでも、引き離されないで残ります。
[2]ここから、妻からの愛への勧誘は、全部の男を最内部から最も外部のものへと冷たくします。しかし、めかけからの愛への勧誘は、愛する者にとってそのようではありません。
 妻に対する嫉妬に、名誉のための評判を求めることが加わっています。この嫉妬の付加的なものは、めかけに対するものにありません。
 しかしそれでも、それらの嫉妬は、妻から、めかけから受けた愛の座にしたがって、同時にそれを受けている男の判断の状態にしたがっていろいろです。