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結婚愛 376

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376 (11) ある者に何も嫉妬がない、このこともいろいろな原因からである
 嫉妬が何もない、また嫉妬をやめることに多くの原因があります。
 結婚愛を淫行愛よりも〔価値の〕多いものとしない、同時に名声を得ることに何も価値を置かない無名の者に、特に彼らに何も嫉妬がありません。これらの者は妻を持つポン引き(ひも)に似てなくもありません。
 確信して嫉妬を捨てる者にもありません、〔嫉妬が〕心(アニムス)を悩ませること、そして妻を見張ることが無益であり、もし見張られるなら、〔かえって〕刺激され、それゆえ、目を閉じて、決して、扉の鍵穴を通して覗かないで、何らかのものを視覚によってあばかないようにすることがさらに適切であることです――ある者は、男は何も恐れないことが男であると考えて、嫉妬〔深い者〕と呼ばれる中傷〔の恐れ〕から嫉妬を捨てます。ある者は、家庭の事柄が破壊されないように、なおまた、もし罪のある情欲の妻が非難されるなら、公共の中で侮辱が起こらないように、嫉妬を捨てることへ向けて追い立てられます。
 さらに、性的能力の不足のために妻に放縦を許す者のもとで、相続する子どもを生殖する理由のために、なおまた、ある者のもとで利得のために、嫉妬は重要でないものへと去っています、等々。
 淫行の結婚もあり、それらの中で相互の同意から両方の者が色情の放縦が与えられています、それでも互いに礼儀正しい顔で会っています。