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結婚愛 395

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395 (8) 無垢のスフェアは、幼児の中へ、また彼を通して両親の中へ流入し、働きかけている
 幼児が無垢であることは知られています、しかし、彼らの無垢が主から流入することは知られていません――直前に言われたように、無垢そのものである主から流入するからです。何らかのものも流入することができません、そのものそれ自体であるその源からでないなら、存在することができないからです。
 けれども、両親に働きかける幼児の無垢がどんなものか、簡潔に言います。それは彼らの顔から、彼らの振る舞いのあるものから、また彼らの最初の話し方から、輝き出て、働きかけます。彼らに無垢があります、彼らは内的なものから考えないからです、というのは、それらから考える何が善と悪か、また真理と虚偽をまだ知らないからです。ここから、彼らにプロプリウム(固有のもの)からの思慮分別はありません。熟考からの意図も、このように悪の目的もありません。彼らに自己愛と世俗愛から得られたプロプリウム(固有のもの)はありません。自分自身に何も帰しません。受けたすべてのものを自分の両親に置きます。彼らに贈り物で与えられるちっぽけなものに満足しています。食物や衣服について彼らに心配はありません。将来についても心配は何もありません。世を眺めず、ここから多くのものを欲しません。自分の両親・自分の乳母・仲間の幼児を愛し、彼らと無邪気に遊びます。導かれることに甘んじ、聞き従います。これが幼児の無垢であり、それが愛の原因であり、それは親心(ストルゲー)と呼ばれます。