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結婚愛 423

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淫行愛について狂気の快楽

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(十七)淫行愛と結婚愛の対立について

423 この入り口で、本章の淫行愛が何を意味するか、最初に明らかにしなければなりません。
結婚に先行する私通愛を意味しません、配偶者の死後に続くそれも意味しません。適法な・正当な・重大な原因から始められるめかけ囲いも意味しません。穏やかな種類の姦淫も、人間が実際に後悔する重い種類の姦淫も意味しません、なぜなら、これらは結婚愛に対立するものをつくらないからです、結婚愛に対立するものでもありません。対立するものでないことは、続きの中で見られ、そこにそれぞれについて取り上げます。
しかし、結婚愛と対立する淫行愛によって、ここに、罪としても、理性に反する悪や恥ずべきものとして見なされないで、理性に許されるものとして見なされるような姦淫愛を意味します――この淫行愛は、結婚愛をそれ自体と同じものにするだけでなく、滅ぼし、破壊し、最後には吐き気を催すものにします。
[2]結婚愛に対するこの愛の対立について、本章で扱います。他のものについてではないことは、続く「私通」、「めかけ囲い」、「いろいろな種類の姦淫」についてから明らかにすることができます。
しかし、その対立を理性的な視覚の前に明らかするために、次の系列で論証します――
(1) 結婚愛がどんなものであるか知られないなら、淫行愛がどんなものか知られない。
(2) 淫行愛は結婚愛に対立している。
(3) 淫行愛は、本質的に見られた自然的な人が霊的な人に対立しているように、結婚愛に対立している。
(4) 淫行愛は、悪と虚偽のつがいが善と真理の結婚に対立しているように、結婚愛に対立している。
(5) ここから淫行愛は、地獄が天界に対立しているように、結婚愛に対立している。
(6) 地獄の不潔は淫行愛からである、天界の清潔は結婚愛からである。
(7) 教会の中の不潔なものも、そこの清潔なものと同様である。
(8) 淫行愛は人間をますます人間でなく、男でなくする、結婚愛は人間をますます人間とし、男とする。
(9) 淫行愛のスフェアがあり、結婚愛のスフェアがある。
(10) 淫行愛のスフェアは地獄から上り、結婚愛のスフェアは天界から降る。
(11) それら二つのスフェア自体は互いに両方の世界で出会う、しかし互いに結合しない。
(12) それら二つのスフェアの間に均衡があり、人間はその中にいる。
(13) 人間はそのスフェアへ好むままに自分自身を向けることができる、しかしどれだけ一方へ向けるかによって、それだけもう一方から背く。
(14) 両方のスフェアはそれ自体に快感をもたらす。
(15) 淫行愛の快感は肉から始まり、霊の中でも肉のものである。しかし、結婚愛の快感は霊の中で始まり、肉の中でも霊のものである。
(16) 淫行愛の快感は狂気の快楽である、結婚愛の快感は知恵の歓喜である。
今からこれらの説明を続けます。