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結婚愛 459

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459 (13) いろいろな理由のためにまだ結婚に入ることができない、また肉欲のために情欲を抑えることができない者のもとのこの結婚のものは、性愛がひとりの愛人に限られるなら、保たれることができる
 好色である者のもとに、抑制されていないまた無秩序の情欲を引き止められることができないことは、理性で見られ、経験で教えられます。それゆえ、この抑制されていないまた無秩序の情愛が、〔性的〕興奮に苦しみ、また多くの理由のために、結婚を早め、急ぐことができない者のもとで抑制されており、何らかの穏健な秩序づけられたものが整えられ、フランス語でメトレス〔愛人・めかけ・情婦〕と呼ばれる愛人を添えること以外に何らかのものの逃げ場が、いわば避難所が見られません。
 統治された王国の中で、青春時代(壮年)の過ぎ去った後以外でないなら結婚(生活)が多くの者により結ばれることができないことがよく知られています、前もって職務が行なわれ、そして家を維持し、家族を得るための財産がなければならず、その時、初めて妻を求めるのに値するとされているからです。それでも、先行する年齢の中で、妻のための精力(性的能力)の噴泉は、わずかな者のものに閉ざされて保たれ、保持されています――確かに、保持されるのが望ましいです。しかし、もし制御されていない情欲の力のためにできないなら、結婚愛がその間に滅びないように、中間の方法が求められ、それによって保持されることができ、それは愛人を持つことであり、〔そのことを〕これらが主張しています――

(ⅰ)それにより、見境のないでたらめな私通が制御され、制限され、このように制限された状態に導き入れられる、それは結婚のさらに類似した生活である。
[2](ⅱ) 灼熱のまた燃やすような最初の性的快楽の情熱は、鎮められ、和らげられる、このように不潔である色情(肉欲)の好色は、結婚の類似物のような何らかのものによって緩和される。
[3](ⅲ) それによって、定まった対象のないまた制限のない男子色情症(男の異常な性欲亢進症)によるかのように活力が捨てられることもなく、虚弱が縮められることもない。
[4](ⅳ) それによって、身体の感染症、そして心の狂気もまた避けられる。
[5](ⅴ) 同じく、それによって罪あるものとして黙っておかれ、それらは名前が上げられないような、妻たちとの姦通である姦淫が、そして処女を強姦することである誘惑することが予防される――というのは、少年は未熟者である時、姦淫と性的堕落が私通以外の何らかのものであることを、そのように他のものと同じもの、一つであることを考えず、娼婦の働き(売春)を根気づよく与える〔異〕性からのある種の誘惑に理性から抵抗することも知らないからである。しかし、さらに秩序づけられた、またさらに健全な私通である愛人を持つこと(内縁関係)の中で、相違を学び、見ることができる。
[6](ⅵ) 愛人を持つことによって、最高の段階の中で結婚愛を破壊するものである四種類の情欲への接近も存在しない。それらは、処女凌辱への情欲・多様なものへの情欲・強姦への情欲・無垢な者を惑わす情欲である。それらについては、続くものの中で〔述べる〕。

 しかし、これらは、情欲の熱情を抑制することができる者には言われません。若者になる時に直ちに、結婚に入り、そして精力(性的能力)の初穂を自分の妻に捧げ、振り向けることができる者にも言えません。