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結婚愛 477

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42 天界に上げられ、そこで正反対のものを見た姦淫者について

477 (これらにこのメモラビリアを加えます——)
私は、世から新しく来た若者の霊が、淫行から自分自身を自慢し、他の者よりも男性的な男であったとの称賛を得ようとしていることを聞いた。放縦を自慢する間に、これらもまきちらした——「自分の愛を閉じ込め、ただひとりとだけ生きることよりも惨めなものは何か? 愛を解放することよりも快いことは何か? だれがひとりにうんざりさせられ、多くの者とならかき立てられないか? 見境のない自由・多様性・処女凌辱・夫を欺くこと、そして淫行の偽善よりも心地よいものは何か? 欺くこと・ごまかし・盗みで得られるものは、心の最内部のものを楽しませないか?」
[2]これらを聞いて、そばに立っている者が言った、「そのようなことを話すな。あなたは、どこにいるのか、だれといるのか、知らない。あなたは、近ごろ、ここにやって来た。あなたの足の下に地獄が、あなたの頭の上に天界がある。あなたは、今、それら二つのものの間にある世界の中にいる、これは霊たちの世界と呼ばれる。世から去ったすべての者はこの世界に来て、ここに集められ、どんな者であるか調べられ、そして悪い者は地獄へ、善い者は天界へ準備される——おそらく、世で聖職者たちから、あなたは今でも淫行する者と淫婦たちが地獄の中に投げ落とされ、貞潔な夫婦たちは天界へ上げられること〔=という記憶〕を保っている」。
このことにその新来者は笑い、言った、「天界とは何か、地獄とは何か? 天界は、そこは、だれかが自由であるところではないのか、その自由は、気にいるだけ多くの者を愛することが許されていることではないのか? また、地獄は、そこは、だれかが奴隷であるところではないのか? ひとりに結びつかなくてはならないのは、その奴隷ではないのか?」
[3]しかし、天界から見おろしている天使が、それらを聞き、さらに結婚を冒涜することへ向けて話しを前進しないように妨げ、彼に言った、「ここへ上がりなさい、天界とは何か、地獄とは何か、確信から淫行する者に、この地獄がどんなものであるか、生きいきと見せましょう」——道を見せ、〔若者は〕上がった。
〔同行の仲間として〕受け入れられた後、最初に、楽園の庭園へ案内された。そこに、果樹と花があった、それらは、美・愛らしさ・芳香から、心(アニムス)をいのちの歓喜で満たした。それを見たとき、大いなる驚きで称賛した、しかしその時、外なる視覚の中にいた、世で同様のものを見たとき、そのようなものの中にいて、この視覚の中に理性的なものがあった——けれども、内なる視覚の中で、その中で淫行が主要な役割を演じ、思考のすべての点を占め、理性的なものではなかった——それゆえ、外なる視覚が閉ざされ、内なる視覚が開かれた。それが開かれて、言った、「私は、今、何を見ているのか? わらと乾いた木材ではないのか? 私は、今、何を感じているのか? 悪臭ではないのか? 今、楽園のものはどこに?」
天使は言った、「すぐ近くにあります、しかし淫行する者であるあなたの内的な視覚に見られません、というのは、この視覚は天界のものを地獄のものに変え、対立するものでないなら見ないからです。
それぞれの人間に内なる心と外なる心が、このように、内なる視覚と外なる視覚があります。悪い者のもとで、内なる心は狂っており、外なる心は賢明です、しかし、善い者のもとで、内なる心は賢明であり、これから外なる心もまた賢明です。人間は霊界で、心があるままに、そのように対象物を見ます」。
[4]この後、天使は自分自身に与えられた力から、彼の内なる視覚を閉ざし、外なる視覚を開いた。入り口を通って住居の中央に向かって彼を案内した。雪花石膏・大理石・いろいろな貴重な石からできた荘厳な宮殿を、その近くに回廊を、またそのまわりに、驚くべき装飾をされ、飾り付けられたもので着せられ、取り巻かれた円柱を見た。それらを見たとき、唖然とし、言った、「私は何を見ているのか? 私は、その荘厳さそのものの中にある荘厳なものを、技術そのものの中にある建築物を見ている」。
しかし、その時、天使は再び彼の外なる視覚を閉ざし、内なる視覚を開いた、その視覚は悪いもの、淫行する者の不潔なものであった。それが行なわれて、彼は叫んで、言った、「私は、今、何を見ているのか? 私はどこにいるのか? 今、宮殿と荘厳なものはどこに? 私は、堆積・がれき・洞穴を見ている」。
[5]しかし、すぐに、外なる視覚の中に戻され、そして宮殿の一つに導き入れられた。また、入り口・窓・壁・屋根の装飾を、特に家具の装飾を見た、それらとそれらのまわりのものの上に金と宝石からできた天界の形があった、それらはどんな言葉でも述べられることが、どんな技術でも描かれることができなかった、というのは、言葉の観念の上に、また技術の概念の上にあったから。
これらを見て、再び叫んで、言った、「これらは目で決して見ることのない驚くべきものそのものである」。そして、その時、彼の内なる視覚が開かれ、外なるものが閉ざされ、前のように、「あなたは、今、何を見ていますか」と質問された。答えた、「垣根以外に何もない、ここにイグサから、ここにわらから、ここに燃えさしからできている垣根がある」。
[6]しかし外なる心の状態の中にさらに導かれ、天界の情愛の映像であったので、美しい処女たちが連れて来られ、その情愛の声で甘く彼に話しかけた。その時、〔彼女たちを〕見て、〔その声を〕聞いて、彼の顔が変えられ、自分自身から淫行であった自分の内的なものの中に戻った、それは天界的な愛の何らかのものに耐えないので、また逆に、天界的な愛によっても耐えられないので、処女たちは男の視野から、男は処女たちの視野から、両側から見えなくなった。
[7]この後、天使は彼に、彼の視覚の状態の逆転がどこからか教えて、言った、「私は、あなたがやって来た世で、あなたは、内なるものと外なるものの中で別の者、二枚舌の者であったことを知覚します。外なるものの中で、あなたは市民的・道徳的・理性的な人間でした、しかし、内なるものの中で、市民的でなく、道徳的でなく、理性的でもない淫行する者と姦淫者であったからです。このような者は、天界へ上がることが許されるとき、そこで自分の外なるものの中に保たれて、そこの天界のものを見ることができます。しかし、彼らの内なるものが開かれるとき、天界のものに代わって地獄のものを見ます。
[8]しかし、あなたは知らなければなりません、ここではそれぞれの者に連続的に外なるものが閉ざされ、内なるものが開かれ、このように天界または地獄へ準備されることです。淫行の悪は心の内なるものを他のすべての悪よりも不潔にし、あなたの愛の不潔なものへ運ばれるしかありえません、これは地獄の中にあり、そこの洞穴は糞から悪臭を放っています。
霊界で不貞なものと好色なものは不純なものと不潔なものであり、このようにこれ以上に人間を汚し、不潔にし、彼に地獄をひき起こすものは何もないことをだれが理性から知ることができませんか。
そこで、もはや、あなたはあなたの淫行を、その中であなたは他の者よりも男性的な男であることを自慢しないよう用心しなさい——私はあなたに、あなたが、どこにあなたの男性的なものがあるかほとんど知らないまでも、弱くなることを予言します。淫行の力を自慢する者にこのような運命が待っています」。
これらが言われて、降り、霊たちの世界へ、前の仲間へ戻った。彼らと慎み深く、貞潔に話した、しかしそれでも、長い間ではなかった。