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神の愛と知恵 7

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神性は空間の中に存在しない

7 神性あるいは神は空間の中に存在しません、それでも世のそれぞれの人間のもとに、天界のぞれぞれの天使のもとに、天界の下のそれぞれの霊のもとに遍在します。
 このことは、単なる自然的な観念で理解することはできませんが、霊的な観念で理解できます。このことを自然的な観念が理解できないのは、その観念の中に空間が存在するからです。というのは、世の中にあって、目で見られるすべてと個々のものは空間の中にあるようなものから形成されているからです。そこの大小すべてのものは空間に、そこのすべての長さ、幅、高さは空間に属します。一言でいえば、そこのすべての量、形状、形は空間に属します。それゆえ、「神性は空間の中に存在しないで、どこでも存在する」と言われるとき、「単なる自然的な観念では理解されることができない」と言われます。
 しかしそれでも、人間はこのことを自然的な思考で、その中に何らかの霊的な光が入ることを許しさえばすれば理解することができます。それゆえ、最初に、霊的な観念とそこからの思考についていくつか述べておきます。
 霊的な観念は、空間からは何も得ないで、すべてを状態から得ています。状態とは、愛、いのち、知恵、情愛、そこから楽しさについて、全般的に、善と真理について言われます。これらについて、真に霊的な観念に空間と共通なものはありません。〔霊的な観念は〕上位のものであって、天が地を見るように〔自然的な観念からの〕空間の観念を下に見ています。
 しかし、天使と霊たちは世の人間と等しく目で見ており、またその対象は空間の中でないなら見られることができないので、それゆえ、霊と天使たちがいる霊界では、そこの空間は地上の空間と同様に見えます。しかしそれでも、空間ではなく、外観です。というのは、地上のように固定した不変のものではなく、移され、引き寄せられること、変えられ、変化されることができるからです。このように測定で定められることはできず、何らかの自然的な観念で理解されることができず、霊的な観念だけにより理解されることができます。空間の距離についての霊的な観念は善または真理の距離のようなものであり、その距離は親近感と類似の状態にしたがっています。