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神の愛と知恵 70

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70 これら二つの自然に固有のものは、述べたように、空間と時間であって、それらを、死んでから天使になるすべての者は脱ぎ捨てます。というのは、その時、霊的な光の中に入り、その光の中で思考の対象は真理であり、視覚の対象は自然界の中のものと似ていますが、その思考に対応するものであるからです。
 彼らの思考の対象は、述べたように真理であって、空間と時間からはまったく何も得ていません。天使の視覚の対象は空間と時間の中にあるように見えますが、それでもそれらから考えません。そこの時間と空間は、自然界の中のように固定したものではなく、彼らのいのちの状態にしたがって変化するものであることがその理由です。ここから、それらに代わって彼らの思考の観念の中には、いのちの状態があり、空間の代わりに愛の状態に関係するようなもの、時間の代わりに知恵の状態に関係するようなものがあります。
 ここから、霊的な思考とそこからの霊的な話し方もまた、すべては霊的である内的な事柄に関するもの以外に共通なものも何も持たないように、それほどに自然的な思考とそこからの話し方と相違しています——その相違については、他のところで多くのことを述べます。
 さて、天使の思考は、いのちの状態からであって、空間と時間からは何も得ていないので、彼らは、「神性が空間を満たしている」と言われるとき、このことを理解しないのは明らかです。空間とは何か、知らないからです。しかし、「空間のどんな観念もなしに、神性はすべてのものを満たす」と言われるとき、明確に理解します。