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神の愛と知恵 69

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神性は空間なしに全世界のすべての空間に満ちている

69 自然に固有な二つのもの、「空間」と「時間」があります。
 人間は自然界の中でこれらから自分の思考の観念を、ここから理解力を形成します。これらの観念の中にとどまり、心をそれらの上方に高揚させないなら、何らかの霊的なものや神性を決して知覚することができません。というのは、それらを空間と時間から得た観念で包んでしまい、またこのことを行なえば行なうほど、彼の理解力の光(ルーメン)は単なる自然的なものになるからです。
 霊的なものと神性について、ここから推論して考えることは、日中の光の中だけに見られるものを夜の暗黒から考えるようなものです。自然主義はここからです。
 しかし、心を空間と時間から得る思考の観念の上方に高揚させることを知る者は、暗黒から光(ルークス)の中へ移り、霊的なものと神性を味わい、ついにはそれらの中に、それらから存在するものを見ます。その時、その〔霊的な〕光(ルークス)から自然的な光(ルーメン)の暗黒を追い散らし、その欺きを真ん中から脇へ追放します。
 理解力のあるすべての人間は、自然に固有なものの上方にあるものを考えることができ、そしてまた実際に考えます。その時、神性は、遍在するので、空間の中に存在しないことを肯定し、認めます。そしてまた、前に示したことも肯定し、認めることができます——しかし、神的な遍在を否定し、すべてのものを自然に帰するなら、その時、たとえ高揚されることができても、そのことを欲しません。