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神の愛と知恵 209

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最後の段階は、前の段階の合成物、容器、基礎である

209 「この部」で述べられている段階の教えは、これまで、二つの世界の中に存在するいろいろなものによって説明されました。例えば、天使がいる天界の段階によって、彼らのものと熱と光の段階によって、大気の段階によって、人間の身体の中の、さらにまた動物界と鉱物界の中のいろいろなものによってです。
しかし、その教えはさらに拡張されます——それは単に自然的なものだけでなく、市民的なもの、道徳的なもの、霊的なもの、またそれらのすべてと個々のものにまで拡張されます。
段階の教えがこのようなものにまでも拡張されることの理由は二つあります。
「第一」は、何らかのものを属性づけることのできるすべてのものの中に、目的・原因・結果と呼ばれる三重の実在があり、それら三つのものは互いに高さの段階にしたがっているからです。
「第二」は、すべての市民的なもの、道徳的なもの、霊的なものは実体から抽象された何らかのものではなく、実体であるからです。なぜなら、(前の40―43番に示されたように)愛と知恵は抽象的なものではなく、実体であるように、市民的なもの、道徳的なもの、霊的なものと呼ばれる同様なすべてのものは、そのようなものであるからです。
これらは確かに実体から抽象されて考えることができますが、それでも、本質的に抽象的なものではありません。例として、情愛と思考、仁愛と信仰、意志と理解力があります、というのは愛や知恵と同様であるから。すなわち、これらは実体である主体なしに存在できず、主体の状態または実体の状態であるからです。それらが変化すること、それらが変化を見せることは、続きの中で見られます。
実体によって形もまた意味されます、なぜなら、形なしの実体は存在しないからです。