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神の愛と知恵 346

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346 (6) 二つの形、植物の形と動物の形があり、流入によってそれらの中への働きが生ずる
 動物界と植物界と呼ばれる自然界の二つのものから、二つの普遍的な形しか地から生み出されないことは、また一方の界のすべてのものは多くの共通のものをもつことも、よく知られています。例えば、動物界では、その主体の中に感覚器官と運動器官があり、なおまた脳、心臓と肺から活動する四肢や内臓があります。そして植物界では、その主体は根を地の中に伸ばし、茎(幹)、枝、葉、花、果実、種を生み出します。
 動物と植物の両方の界は、その形を産み出すことに関して、そこに主がおられる天界の太陽からの霊的な流入と働きからその起源を得ており、自然の太陽からは、前に言われたように、それらを固定することだけであって、その自然的な流入と働きからではありません。
 大小のすべての動物は、自然的なものと呼ばれる最も低い段階の中の霊的なものから起源を得ています。人間だけが、天的・霊的・自然的と呼ばれる三つあるすべての段階から起源を得ています。
 高さまたは分離したそれぞれの段階は、その完全なものからその不完全なものへ、光から陰へのように連続によって、低下するので、動物もまたこのようなものであり、それゆえ、そのことから、完全なもの、完全さの劣るもの、不完全なものが存在します。
 完全な動物は、ゾウ、ラクダ、馬、ラバ、牛、羊、ヤギ、大きい群れあるいは小さい群れのその他のものです——完全さの劣るものは飛ぶ動物です。不完全なものは、魚、貝であり、それらは段階の最も低いものであるので、前のものが光の中にあるとき、陰の中にあるかのようです。しかしそれでも、自然的なものと呼ばれる霊的な段階の最も低いものだけから生きるので、地に向けて、そこの食物に向けて、繁殖のために仲間に向けて目を向けるだけで、他のところへ目を向けることができません。それらすべての〔動物の〕魂は自然的な情愛と欲望です。
 植物界の主体も同様であり、完全なもの、完全さの劣るもの、不完全なものがあります——完全なものは果樹であり、完全さの劣るものはブドウの木と灌木であり、そして不完全なものは草です。しかし、述べられたように、植物はもととなる霊的なものから役立ちであることを、動物はもととなる霊的なものから情愛と欲望を得ています。