カテゴリー

神の愛と知恵 432

431◀︎目次▶︎おわり

妊娠による人間の最初の段階はどんなものであるか

432 妊娠後の子宮の中での人間の最初の段階または発端はどんなものか、見ることができないので、だれも知ることはできません。そしてまた、自然的な光によって視覚の中に落ち込まない霊的な実体からです。
 さて、世の中のある者は、父からの精子による妊娠の中に、人間の最初の段階に心を向け、探求するような者です。また多くの者は、人間は始まりであるその最初からその完全さの中にあり、その後、大きくなって完成する、という誤りの中に落ち込んでいるので、始まりまたは最初に、その形の中でそれがどんなであるか、私に示されました。
 このことが私に天使により示されましたが、それは彼らに主により啓示されたものです——彼らはそれを自分たちの知恵のものとし、そして知っていることを他の者に伝達することは彼らの知恵の楽しさであるので、それゆえ、許しが与えられて、類型の中に、人間の最初の形を私の目の前に天界の光の中で示したのです。それは次のようなものでした——

 脳の最小の映像のようなものが見られ、そこには前方に何らかの顔が付属物なしにはっきりと描かれていた。この最初の段階のものは、突出した上の部分の中は、接触する小球または小球体からの合成された構造であり、それぞれの小球体はさらに微小なものからの合成された構造であった。そのそれぞれは同様に最も微小なものから合成された構造であり、このように三段階であった。前部のくぼんだ部分に顔を描いたものが見られた。突出した部分は透明なごく薄い膜または脳膜でおおわれていた。突出した部分は、最小の形の脳の類型であって、最大の形の脳が二つの半球に分かれているように、あたかも隆起するかのように、さらにまた二つに分かれていた。私は、隆起は愛の容器であり、左の隆起は知恵の容器である、と言われた。驚くべき接合によって配偶者や同居仲間のようであった。
 他にも天界の光で照らされて、この小さい(小)脳の構造の内部は位置と流動に関して天界の秩序と形の中にあり、その構造の外部はその秩序と形に関して正反対であったことを示された。
 これらが見られ、示された後に、天使は言った。天界の秩序と形の中にあった二つの内的な段階は主からの愛と知恵の容器である。天界の秩序と形に関して正反対であった外的な段階は地獄の愛と狂気の容器である。人間は遺伝の欠陥から、すべての種類の悪の中に生まれているのがその理由である。その悪はそこの最外部の中に住んでいる。この欠陥は、〔これまで〕述べたように、主からの愛と知恵の容器である上の段階が開かれないなら、取り去られない。
 また、愛と知恵は人間そのものであり、というのは、愛と知恵はその本質では主であるから、また人間のこの最初の段階は容器であるので、ここからその最初の段階の中に絶え間ない人間の形の中への努力が、さらにまたその形を引き続いてまとおうとする努力のあることがいえる。

                                         終わり