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天界と地獄249

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249   しかし、霊と話すことは危険なので、今日ではまれにしか存在しません(*1)。なぜなら、そうしなければ霊にわからないのに、その時、霊は人間のもとにいることを知るからです。そして、悪い霊は、人間に死をもたらすような憎しみを持ち、霊魂と身体に関して彼を滅ぼすこと以外に何も望まないような者です。自然的な人間に適する快さを自分自身から遠ざけるほど大いに幻想にふける者にこの霊魂と身体の滅びることが起こっています。
さらにまた、孤独の生活を送る者は、ときどき霊が自分と話すのを聞くことがあり、しかも危険のないことがあります。しかし、主により、その霊が人間のもとにいることを知ることがないように、人間から遠ざけられます。なぜなら、大部分の霊は、彼らがいる以外の他の世界が存在することを、したがって他のところに人間がいることもまた知らないからです。それゆえ、逆に、彼らと話すことは人間に許されていません、なぜなら、もし話すなら、彼らは知ってしまうからです。
宗教的な事柄について多くのことを考え、それに固執して、あたかもそれを自分自身の内側に見るようにまでもなった者もまた、霊が自分と話すのを聞き始めます。なぜなら、宗教的な信念は、どんなものであっても、人間が自分自身からそれに固執し、世の中で役立ついろいろなものでそれを中断させない時、内部へ進み、そしてそこにとどまり、人間の全精神を捕らえ、霊界に入り、そこにいる霊を動かします。しかし、このような者は幻視者や狂信者です。また、霊がだれであってもその言うことを聞き、〝聖霊〟であると信じます、そのときそれでも、その霊は狂信的な霊です。
このような霊は、虚偽を真理のように見ています。そのように見ているので、このことを自分自身が納得し、自分が流入する者たちにもまた納得させます。またそれらの霊は、悪の実行へと誘い、さらにまた自分に従属させようとし始めるので、それゆえ、徐々に取り去られます。
狂信的な霊は、自分が〝聖霊〟であり、自分の言うことは神的なものであると信じていることによって、他の霊から識別されます――それらの霊は、人間が自分たちを神的な礼拝をもって尊ぶので、人間に害を加えません。
何度か、私は彼らと話しましたが、その時、彼らが自分の崇拝者たちに注ぎ入れた邪悪なことが明らかにされました――彼らは一緒になって左の見捨てられた場所に住んでいます。


*1 人間は霊や天使と話すことができる。古代人はしばしば彼らと話した(67-69, 784, 1634, 1636, 7802)。
ある地球では、天使と霊は人間の形で見られ、彼らと話す(10751, 10752)。
しかし、この〔私たちの〕地球では、今日、人間が信仰の真理の中にいないなら、また主により導かれるのでないなら、霊と話すことは危険である(784, 9438, 10751)。