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天界と地獄255

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255  天使と霊の人間との結合がどんなものか知られるために、話しておく価値のあることをいくつか物語ることが許されており、それらから説明し、結論することができます。
天使と霊が自分自身を人間に向ける時、人間の言葉が自分のものであり、他の言葉は自分にはないとしか知りません。その理由は、その時、彼らは自分の言葉の中にいないで、自分の言葉を思い出さないで、人間の言葉の中にいるからです――しかし、自分自身を人間から背けると直ぐに、その時、自分の天使的な霊的な言葉の中にいて、人間の言葉については何も知りません。
私が天使との交わりにいて、彼らと似た状態にいたとき、似たことが私に起こりました。その時、私は彼らと彼らの言葉で話し、自分の言葉については何も知らないで、その言葉を思い出しもしませんでした。けれども、彼らとの交わりの中にいなくなると直ぐに、私は自分の言葉の中にいました。
[2]天使と霊は自分自身を人間に向けるとき、どんな距離であっても話すことができ、そのこともまた話しておく価値があります。彼らは私と、遠方から、近くの音声と同じように話しました。けれども、自分自身を人間から方向転換させ、自分たちの間で話すとき、人間には、何が話されているのか、それが耳のほんのすぐ近くで話されたにしても、まったく何も聞こえませんでした――ここから、霊界の中で、すべての結合は方向転換にしたがっていることが明らかです。
[3]多くの者が一緒になって人間と話すことができること、また人間も彼らと話すことができることもまた話しておく価値があります。彼らは、話したい人間に自分たちのもとからある霊を派遣し、その送り出された霊は自分自身をその人間へ向け、多くの霊たちが自分たちの派遣した霊に向けて自分たちの思考を集中させると、その霊はその思考を発声するからです。その時、その霊は自分自身から話すとしか、また送り出した霊たちも自分たち自身が話しているとしか、知りません。多くの者がひとりの者と結合するときもまた、このようであり、そのこともまた方向転換によって生じています(*4)
しかし、〝派遣霊〟とも呼ばれる、この送り出される霊について、また彼らによる伝達については、あとで多くのことを述べます。


*4 霊の社会から他の社会へ送り出された霊は、派遣霊と呼ばれる(4403, 5856)。
霊界の中の伝達は、このような使者の霊によって行なわれる(4403, 5856, 5983)。
霊は、送り出されるとき、また派遣霊として仕えるとき、自分自身からは考えず、送り出した者から考える(5985-5987)。