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天界と地獄304

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304  人間は、主との結びつきと結合を持ち、天界の天使とは単に交わりを持つように創造されています。
天使とは結合でなく、単に交わりを持つことは、人間は創造から心のものである内的なものに関して天使と似ているからであり、人間には天使のものと似ている意志と理解力があるからです。ここから、人間は神的な秩序にしたがって生きたなら、死後に天使となり、そのとき彼には天使の知恵に似たものがあります――それゆえ、人間と天界との結合が言われるとき、主との結合と天使との交わりが意味されます、なぜなら、天界は天使のプロプリウム(固有のもの)から天界ではなく、主の神性から天界であるからです――主の神性が天界をつくることは前に述べました(7-12番)。
[2]けれども、人間には天使にない他のものがあります、自分の内的なものに関して霊界にいるだけでなく、同時にまた外的なものに関して自然界の中にもいることです――自然界にある彼の外なるものは、自然的な記憶または外的な記憶のすべてのものであり、ここからの思考と想像に属すものです。全般的には、認識や知識とそれらの快さや快感、世から味わえるかぎりの身体の感覚に属すものであるさらに多くの快楽、さらにまた他に、感覚そのもの・話すこと・行動です――これらすべてのものもまた主の神的な流入がその中に終わる最終的なものです、なぜなら、その流入は中間で止まらず、その最終的なものへと進むからです。
これらから、人間の中に神的な秩序の最終的なものがあること、最終的なものであるので、それが土台や基礎であることが明らかです。
[3]前述のように、主の神的な流入は中間のもので止まらないので、その最終的なものにまで進みます。また通り過ぎる中間のものは天使の天界であり、最終的なものは人間のもとにあって、ばらばらなものは存在しないので、一方がもう一方から存続するような人類と天界の結びつきと結合があることがいえます、天界がなくては人類は鉤のない鎖のようになってしまい、人類のない天界は基礎のない家のようになってしまったでしょう(*1)


*1 何もそれ自体から存在しない、しかしそれ自体の前のものから、このように〝最初のもの〟から存在する。また、そのものから存在し、さらにまた存続し、存続することは絶え間なく存在することである(2886, 2888, 3627, 3628, 3648, 4523, 4524, 6040, 6056)。
神的秩序は途中で止まらない、しかし、最後のものの中で終わる。そして、最後のものは人間であり、このように神的秩序は人間のもとで終わる(634, 2853, 3632, 5897, 6239, 6451, 6465, 9215, 9216, 9824, 9828, 9836, 9905, 10044, 10329, 10335, 10548)。
内的なものは連続的な秩序で外なるものへ流入する、最外部または最後のものにまで流入する。さらにまた、そこに存在し、存続する(634, 6239, 6465, 9215, 9216)。
内的なものは同時的な秩序の中の最終的なものの中に存在し、存続する(5897, 6451, 8603, 10099)。
ここからすべての内的なものは〝最初のもの〟から〝最後のもの〟を通して、結びつきに保たれる(9828)。
ここから〝最初のものと最後のもの〟は、すべてと個々のものを、このように全体を意味する(10044, 10329, 10335)。
また、ここから最終的なものの中に強さと力がある(9836)。