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天界と地獄457

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457. 人間の霊が、最初に霊たちの世界に入るとき、そのことはその生き返りの後しばらくして起こりますが(そのことについては前に述べました)、世にいたときと似た顔をしていて、似た声で話します。その理由は、その時、自分自身の外的な状態の中にいて、依然として彼の内的なものがあらわになっていないからです――これが死後の人間の最初の状態です。
けれども、その後、顔は変化し、まったく別のものになり、彼の情愛または支配愛に似たものになります。彼の心のものである内的なものは世で、また彼の霊は身体の中でそのようなものであったのです。なぜなら、人間の霊の顔は、身体の顔とは非常に違っているからです。身体の顔は両親からのものです、しかし、霊の顔は彼の情愛からであり、その映像です。身体での生活の後、外的なものが取り除かれ、そして内的なものがあらわにされるとき、霊はその情愛の中へやって来ます。これが人間の第二 (*注)の状態です。
私は世から新しく来たある者を見たとき、その顔つきと話し方から彼らがわかりました、しかしその後に見たとき、彼らがわかりませんでした。善の情愛の中にいた者は、美しい顔で見られます、けれども、悪の情愛の中にいた者は、醜い顔で見られました――本質的に見るとき、人間の霊はその情愛以外のものではなく、その外なる形が顔であるからです。

さらにまた、顔が変化することの理由は、来世ではだれも自分自身のものでない情愛を装うことは、このように自分自身と反対のものである愛の顔をつけることは許されないからです。どれほど多くてもそこにいるすべての者は、考えることをそのまま話し、意志することをそのまま顔つきや振る舞いで示すような状態にされます。
それでここから、すべての者の顔はその情愛の形と似姿となっています。そしてここから、前に述べたように(427)、世で互いに知りあった者はすべて霊たちの世界でもまた互いに知り合います、けれども、天界で、また地獄でも知り合うことはありません (*4)


*4 顔は内的なものと対応するものに形作られている(4791-4805, 5695)。
心(mens)の情愛と顔や顔つきの対応について(1568, 2988, 2989, 3631, 4796, 4797, 4800, 5165, 5168, 5695, 9306)。
天界の天使のもとで、顔は心に属す内的なものと一つとなっている(4796-4799, 5695, 8250)。
それゆえ、みことばの中の「顔」は、心に属すものである内的なものを、すなわち、情愛と思考に属すものを意味する(1999, 2434, 3527, 4066, 4796, 5102, 9306, 9546)。
脳から顔への流入は時の経過の中でどのように変化したか、そのこととともに顔そのものは内的なものとの対応に関して〔どのように変化したか〕(4326, 8250)。