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天界と地獄 521

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54 だれも直接の慈悲から天界へ行かない

521 天界について、天界への道について、さらに人間のもとの天界の生活について教えられていない者は、天界に受け入れられることは、〝主は自分たちのためにとりなしをされるという信仰の中にいる者に、単に慈悲から与えられる。したがって、入るのを許されるのはひとえに恵みからである〟という信念を抱きます。結果として、どれほど多くいても、すべての人間は、意のままに救われることになります。それどころか、〝地獄の中のすべての者もまた慈悲から救われる〟という信念を抱く者もいます。
しかし、彼らは人間ついて何も知りません。すなわち、人間はどのような生活をするかによって、完全にそのようなものであり、彼のその生活は、意志と理解力のものである内的なものに関してだけでなく、身体のものである外的なものに関しても、彼の愛がどのようなものであるかにより、身体の形は単に外なる形であり、その中に内的なものは結果としてそれ自体を現わし、ここから、人間全体はそれ自身の愛であることです(前の363番参照)。
また、身体はそれ自体からは生きていないで、その霊から生きており、人間の霊は彼の情愛そのものであること、彼の霊的な身体は人間の形の中の人間の情愛以外の何ものでもないこと、さらにまた死後、そのように現われることも知りません(前の453-460番参照)。
これらのことが知られないかぎり、人間は、〝救いは慈悲や恵みと呼ばれる神的な思し召し以外のものではない〟と信じてしまいます。