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天界と地獄 547

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547 これらから、人間は地獄から悪を行ない、天界から善を行なうことを明らかにすることができます――しかし、人間はだれも自分自身から行なうと信じているので、それゆえ、行なう悪は、自分自身のものであるかのように彼に付着しています。ここから、悪の原因は人間自身にあって、決して主にあるのではありません。
人間のもとの悪は人間のもとの地獄です。なぜなら、悪と言っても、あるいは地獄と言っても、同じことであるからです。
さて、悪の原因は人間自身にあるので、それゆえ、さらにまた彼は自分自身を地獄の中に引き入れ、それは主ではありません。人間が自分自身の悪の中にいることを欲さなければ、その悪を愛さなければ、それだけ、主は、人間を地獄から解放しようとされ、人間を地獄に引き入れることはされません。
人間の意志と愛のすべては、死後、彼のもとに残ります(470-484番)。世で悪を欲して、愛する者は、同じ悪を来世で欲し、愛して、その時、もはやこのことから引き出されないことを自分自身に許します――ここから、悪の中にいる人間は、地獄に結びつけられていて、また実際に自分の霊に関してはそこにいて、そして死後、自分自身の悪があるところ以外の居場所を決して願いません――それゆえ、死後、人間はまさに自分自身を地獄に投げ込むのであって、主ではあられません。